熱血親子レビュー


熱血親子 セガサターン テクノソフト
1995年07月21日 5800円
 キャッチコピー超・燃ゑる

一言で言うとFF系のオーソドックスな横スクロールアクション。
でも操作性はFF以下
登場人物は元レスラーのマッチョオヤジと格闘娘に剣士と、
どっかで聞いたことがある面々。
ストーリーはこれまたヒロイン(マッチョの妻)救出物。

因みに『格闘親子』と銘打ってはいるものの、剣士はただの居候。

敵キャラクターは秀逸!
仮面にボクシンググローブの下級戦闘員や
ボクシンググローブをつけた蛸(かなりグロい)など、
プレイヤーの神経を妙に逆なですること受け合い!
ラスボスは一見の価値あり!バカすぎ!!
でも自分的にはラスボスは変身前の方がが好きだったりします。

面構成もイカレていて面白い。
一面が東京市街なのに二面が鯨の腹の中や
アミューズメントパークが溶岩地帯につながっているなど
プレイヤーを常に飽きさせない作りになっている。

あと、コマンド技(隠しコマンドあり)があったり、
キャラによって取れるアイテムが違うなどあるがどうでもいい。

何かに取り憑かれたように妙なゲームを買う淳之介さんが
これまた奇ゲーに心惹かれる性質のエ人氏のリクエストを受けて行った熱血親子レビュー。

勢いに騙されず、一語一句をしっかり理解しながら読むことで
ゲームの本質を見事なまでに語り尽くしてあることが解るだろう。
さらにレビュアー最高の決めゼリフであり、
このセリフを使いたいがために業界に入る人も後を絶たないと言われる

「プレイヤーを常に飽きさせない作りになっている。」

を、自然に使いこなしている所から見ても非常にレベルの高いレビューと言える。
しかしゲーム自体は決してレベルが高いわけではない。
ちなみに彼の同時購入ソフトは3DOの幽遊白書等。
ジャンルとしては『UFO仮面ヤキソバン』に代表される横スクロール奇ゲー。
やはり完成度の低さが目立ち、
一人でプレイするには辛いものがあるのは否めない。

しかし一人では問題でしかなかった完成度や奇抜さも
二人プレイではテンションを上げる重要なファクターとなり
むしろそれが開発者の思惑の内と思うのは考えすぎだろうか?

キャラはどこかで見た感はあるものの悪意なくまとまっており
プレイヤーに不快感を与える類ではないのが○。
異常に自らの体力を減らす体力消費攻撃はご愛敬。
同じSSのゲームならば羅媚斗よりもこちらをお勧めする。
急な友達の接待プレイや暇潰しにと200円以下なら買って損はない逸品である。

淳之介氏のリアル友人キデ氏が、彼と共に熱血親子をプレイした際に行ったレビュー。
まずは同ジャンルである焼きそばの景品だったゲームに反響が集まったため市販したら
ただのクソゲーで大顰蹙を買った『UFO仮面ヤキソバン』の名前を挙げ
読者のゲーム画面の想像を緩和し、さらに開発者の意図まで汲み取るという
淳之介氏に負けず劣らずのハイレベルレビューだ。

その後、若気の至りで借りて帰り、一人プレイの虚しさを知ったのか
一人プレイに対してはややシビアな視点を持つに至ったようだが、
これにより購買層を絞り込むことに成功している。

さらに注目したいのは「プレイヤーに不快感を与える類ではないのが○」のくだり。
天下のファミ通でも限られた人間しか使いこなすことができないという
「〜が○」「〜は×」等の記号技をいとも容易く使いこなしている。

この技はもともと限られた字数の中で生きるレビュアーが、
少しでも字数を節約するために編み出した技。
しかしこのK氏の使用法は「プレイヤーに不快感を与える類ではない」だけでも
十分意味が通るにも関わらずいたずらに字数を増やしているのだ。
「できる贅沢はする」という哲学性が感じ取れる、知的なレビューと言えるだろう。


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