10年後―― 2010年。
つまり今作の麻宮アテナはKOF=サイコソルジャーのアテナとは別人、
あるいはアイドルアテナの受けた仕事と解釈すると良いだろう。

WADエンタープライズという会社の研究所。
高沖清乃という女性所長が切り盛りするそこへ、
グラサンオールバックのホッパーにソックリな男が報告を持ってやって来る。
タンタロスというマザーコンピューターを開発したらしい高沖所長は
ポジション的にはエヴァの赤木リツコだと思っておけば近いイメージになるだろう。

そうこうしている内に、



恐竜が出て来た

なんでも恐竜を再生していたところ拘束を解かれてしまったらしい。

うわあああ! 大変だぁぁ!!
響き渡るティラノサウルスの咆哮! そうだ! 今こそサイコパワーの生きる時!
無敵のサイコボールで恐竜を撃退するのだ! 出ろぉぉ! サイコォォ!!


ロボが出たぁぁ!!


殺したぁぁ!!

強いぞ! 凄いぞ! 機関銃!!
っていうか、サイコパワーいらないじゃん

ロボで良いじゃん。

それにしても、宇宙に始まって恐竜にロボ、さらにここから現れる予定の女子高生
まさに男のロマンが必要以上に詰まったゲームですね!!!


事が終わり、高沖所長とホッパーのちょっとしたロマンス。
生命の冒涜の域に達した科学に悩める所長をホッパーが慰める。
そこへ、怪しい武装で身を包んだ男達が不躾に入って来た!



こ、これがポリアテナ学園の制(略)

悩み苦しみ、すでにWADからの離反を考えていた所長に、
上からの直通で身柄拘束の命が出された。
彼女を守ろうと銃を抜くホッパー。あっさりと射殺されるホッパー。
所長の叫びで発覚したホッパーの名前は並木(か波木)らしいが、
今となってはどうでも良かった。さようなら、ホッパー。


そしてさらに8年――

立ち並ぶモニターからの曇った声。謎めいた会話。字幕も出ないのに聞き取り難い会話。
「Dr.高沖の報告から8年…… 彼女の背任…… 大きな損失と言わざるを得ない」
「彼女抜きでは研究は進まぬ」「我々の求める完全なるSBU……」

これまんまゼーレじゃん。

彼らの言う“レイティブ”(かどうかは聞き取り辛いうえに字幕もないので確信は持てないが)
そこに挙げられた一人の少女…… 曇った声が響く……
不気味に…… 静かに…… 確実に…… 少女の名が告げられる。

- 麻宮アテナ -

C-011発令。及びAEX-04、アストライオスの拘束を解除。

「麻宮アテナとの第一次接触に投入を提議」

マザーコンピュータ、タンタロスへ――

「承認」「解答保留」「条件付承認」……


…………

MAGIのモロパクリじゃん!
アドベンチャーでもパクリかよ!
高沖所長は赤木リツコだと思っておけばっていうか赤木リツコそのものじゃん!
パクリじゃねぇか! 聞き取れないところまでパクるな!

そんなやるせない叫びの木霊する中、清嶺学園――
紫の長い髪。赤いヘアバンド。
夕焼けに佇み、陽気に学友達と話を交わすその少女は――



永かった……

ついに、ポリアテナが来る……ッ!!


ムービーが終わると、SNK名物読み取れない速度でメッセージが進む自動会話シーンが発生。
フルボイスではないのでこのシーンではボイスもない。
ACではテキパキとメッセージを進めないとインカムや順番待ちの人に影響が出て来るため
うんざりしながらも納得するしかないのだが、
なぜアドベンチャーでこのような仕様を強いているのか?

ムービーシーンも聞き取り辛いうえに字幕もないし、
すでにストーリーメインで楽しませるゲームとして破綻しているような気もするが、
この辺にワゴンで680円だった秘密が隠されているのだろうか?

それはともかく柏崎理香という同級生と下校するアテナ。
だが、柏崎理香は明日アテナと二人で行く予定の
ディノアクアリウムのチケットを失くしたと衝撃の告白を行う。
最初のミッションは失われたチケットを探し出すという何気ないイベントのようだ。

そしてまたちょっとした会話シーンが発生したのだが、
やはりボタンを押さずとも勝手に進んでしまう。しかも高速で
どうやらこれから先も最後までオートセリフ飛ばし仕様と付き合わねばならないらしい。
うっお―――っ!! くっあ―――っ!! 飛ばすな―――っ!

そんな苦境を乗り越えて、目を凝視しながらチケット探して1-B。
そこには関西弁を巧みに操るの謎の中国人……



拳崇出た! 拳崇が出た!
普通に学生してる彼はKOFよりもカッコ良く見える。
が、しかしアテナが後ろに居ることに気付かず恥ずかしい告白を行ってしまった彼は、
「わいはアテナのナイトやさかい!」
赤面して(画面上ではむしろ能面だが)走り去ってしまう。

一方のアテナはしっかりと告白されたにも関わらず、

「一体何なの、あの人」

と冷たいセリフを残した。


1-A アテナの教室に入る。
そこには柏崎理香がおり、トイレで失くしたかも知れないと
オートセリフ飛ばしイベントで話すや否や、女子トイレへと駆けて行く。
一人残されたアテナは自分の机の上でネオポケを拾い(切ないな……)、
そして柏崎理香の机へと歩を進める。すると……

何かきたぁー!!

ビビッと来た、ビビッと!
ゆらゆらと心電図のように動くメーターの下に△マーク!
音ゲーのようにこれを押して行くことでサイコパワーが発動するらしい。
だが、自分に眠る力をまだ知らないアテナ。
突如覚醒したサイコメトリー能力でチケットの場所を閃くのだが、
勝手に起動したパソコンで、タンタロスが狂ったように音を荒げていた。

麻宮アテナの覚醒を確認 麻宮アテナの覚醒を確認 麻宮アテナの覚醒を確認

不気味に鳴り響く電子音。アテナの背後には異様な雰囲気を称えたピエロが……



「誰!?」

だが、振り返った先には何も存在せず、やはり教室は無音のままアテナだけを包んでいた。

チケットの場所は柏崎理香のロッカー。
アテナはロッカーの鍵を持っている柏崎理香を追ってトイレへと駆け込むが、
どうやら行き違いになったようだ。
トイレフラグを立てて1-Aに戻ると柏崎理香が困り果てていた。

ロッカーの中はさっき調べたと柏崎理香は言うが、
鍵を譲り受け、ロッカーの前でステータス画面を開き、ページを切り替えて鍵を選択し、
「使う」を選ぶとその中には、サイコメトリーで見た通りのチケットと、
アテナが誕生日に渡したペンダントが眠っていた。
どうやら柏崎理香は重度の粗忽者らしい。

だが、そうこうしている内に午後6時。
近未来の学校は6時を過ぎるとオートロックで完全閉鎖されてしまうらしい。
かくしてアテナと柏崎理香は見事に閉じ込められたのであった。

扉の前に立ち尽くすアテナ。
これでは食事も出来なければトイレにも行けない。
なんて危険な学校なんだ。

そんな窮地を救ったのは二度目のサイコメトリーだった。
閃いた机の引き出しを開けるとなぜかそこには教室の鍵があった。
なぜ?ある意味、サイコパワーよりも不思議な現象により、
アテナと柏崎理香は無事、 鍵を取り、ドアの前でステータス画面を開き、
ページを切り替えて鍵を選択し、「使う」を選んで監禁部屋から抜け出したのであった。

アイテム持ってたら1ボタンで開けよ!!


CGムービー。
ポリポリの顔から池澤春菜さんのアニメ声が出て来るのは非常に違和感がある。
池澤春菜さんはポリ声優にはなれそうもない(誰もなりたくありません)

学校を出るアテナと柏崎理香。
だが、柏崎理香は教室にペンケースを忘れたと言い残して去って行く。
どうやら彼女は粗忽者というより単なるアホらしい。
ディノアクアリウムで恐竜に喰われないか心配である。
またロボが出撃しなければならない。

その頭上では、三宮芳弘という嫌な感じのする教師が
女生徒に辞書のような分厚い本を何冊も運ばせていた。
その足取りは当然、今にも倒れそうに不安定である。

三宮芳弘が眼下のアテナを見る。
そして、女生徒を激しく肩で突いた!
舞い散ると表現するには荒々しい本は凶器となってアテナへと襲い掛かる!

だが、顔を覆うアテナを、彼女を守るように蒼い光が包み込んだ。
浮き上がり、そして弾け飛ぶ本。
その光――サイコシールドは、
彼女を守ったと呼ぶにはあまりにも残酷に、本をバラバラの残骸へと変えていた。

三宮の目が光る。
アテナもまた、自分に起こっている変化に気づき始めていた。
何かが、動き始めている。

尚、このポリアテナことATHENA 〜Awakening from the ordinary life〜は
CD3枚組なのだが、ここでDISK1がもう終わった