最終話
北斗神拳の彼方へ!!


北斗の村の跡地モンパサが危ない!



救い出したリンから託された物は

北斗の秘宝と

新たなる危機






人気のないモンパサの村……

感じるのは漂う死臭だけ……


その村は……

女、子供に至るまで……


全てが死に絶えていた……



夥しい屍の山を築き、

トキの墓に佇む男







新世紀絶対者 覇拳王


我が拳は天なり

我が拳は絶なり

我が拳は極なり


拳を司り覇を唱えるは

我 覇拳王のみ!

我の前には全ての宿命もひれ伏す


滅せよ 北斗!
二千年の彼方に!















圧倒的な闘気













あのとうえいが


成す術もなく敗れ散る





















無言で去る覇拳王


お前は……












騒乱の大星雲を収める手立てはただひとつ!

北斗神拳最終奥義のみ!






トキの声に目を覚ますとうえい


蘇生七星孔



それがケンシロウを呼び起こす秘孔



ひとつとなった北斗の秘宝を用い
ついにケンシロウへの扉を開く




そこへ再び現れる覇拳王





とうえい様! ここはお任せを!
覇拳王よ! 私の命にかけてもここは通さぬ!






ほう…… その言葉…… 試してみようか?

オレの力はこの水晶殿をすら
吹き飛ばすことも出来るのだぞ

命をかけると言うならば
自らの手で果ててみよ!










……・。









さあ どうした?
お前の言葉は偽りか?





何をバカな!















……はあああああっ!


とうえい様 風丸は 貴方に仕えて
幸せでございました

私は信じています
貴方が最強の北斗神拳伝承者となられることを……


北斗よ! 永遠に栄光あれ!




  

!?










風丸は自らの命を絶った




















振り返ってはならない!
振り返ることは風丸への冒涜!



今はただ走れ!
北斗神拳伝承者ケンシロウの元へ!







蘇生七星孔





永き眠りから覚める地上最強の拳士






北斗の宿命がお前をここに呼び寄せた
北斗神拳は一子相伝!

オレを倒さなければ伝承出来ぬ
最後の時は来た!

地上最強の北斗神拳を
お前の肌に刻み込め!










  


北斗最大の闘い











これがあのケンシロウなのか



燃え尽きる間際の蝋燭の


最後の輝きにも似た



脆弱で


しかし激しく雄々しい



最強の
の拳















今、とうえいは


ケンシロウを超える

















見事だ!
お前もまた強敵との闘いの中で
北斗神拳を見極めたか!

オレはすでに死兆星を見ていた。

ラオウの…… カイオウの……
そして多くの強敵との壮絶な闘いが
オレの体を蝕んでいた。

だから自らの秘孔を突き
眠りについた。

北斗神拳は戦場の拳!
壮絶な闘いの中で
哀しみを背負った者のみに受け継がれる!


オレは待った!
この世の哀しみを全て包み込む愛深き漢を……

強き伝承者を!


今こそお前に
北斗神拳最終奥義を伝承しよう!











新世紀北斗神拳伝承者誕生




同時に鳴り響く轟音






覇拳王の城が突然この白涙の谷に!









貴様の北斗神拳
受けて立とう!










ならば行こう!

最後の城へ!









北斗 天に滅せよ!











北斗神拳









最終奥義




名など無い

ただ哀しみの中で生み出された

世紀末最後の拳













砕け散る新世紀絶対者覇拳王の兜







お前はやはり……


















リュ・ウ・ド・






ただひたぶるに拳力を求め

狂気に取り憑かれた非情の剛拳








ふふっ 久々だな












闘えない















友を殺すなんて















出来ない
















るぁりぃあぁー!











迫り来るは確実な














もう……



















終わりか……

























とうえいよ! 思い出せ! 強敵を!

お前と共に熱き血を流し闘ってきた強き漢達を!





















ルギー……


断己相殺拳!






ジンギ……

オレは最高の友と出会え……幸せだった!





仲良し三兄弟






ガルグ……







サガン……







魔天王







リュウ!


オレはお前のためなら
喜んで拳を捨てることが出来る!










ケン!


オレは待った!
この世の哀しみを全て包み込む愛深き漢を……

強き伝承者を!




















風丸……!












闘い、散っていった強敵達の……


強敵の熱き血潮


とうえいを蘇らせた






ふぅ〜ぉぁぁ……


ほぉわたぁっ!





















哀しき巨星












ついに堕つ















このオレが・・・ 誰の・・・ 何に・・・
負けるというのか!


オレの氷の心が! 炎の剛拳が!

お前の哀しみに打ち砕かれたというのか……




リュード! 哀しみだけではない!
とうえいは
強敵との凄絶な戦いの中で
深き愛をその心に刻んだのだ
























全ての哀しみを包み込み

深き愛を心に抱く者こそ北斗神拳伝承者










……














オレの拳は……











天には


届かぬか……


















リュード・・・
お前もまた哀しき男よ。
・・・そう。
かつて我が兄ラオウが
天を目指したように









さあ リュード







オレと共に還ろう


北斗の漢達が眠る地へ・・・












リュード!

















ふっ……




































199X年……
この惑星は死んだ


だが己の星に殉ずる
熱き漢達は死なない

ある時は歴史の裏に潜み
またある時は乱世の矢面に立ち

世界を拾うべく血を流した
北斗の漢達は滅びない


新世紀を迎え
未だ惑星は死んでいようとも

その怒りは乱を断ち
その哀しみは愛を育む

いつか世界に
希望が生まれる日まで……












さらばだ










七星覇拳伝



北斗神拳の彼方へ






















あとがき