2の次はZERO! これカプコンとトリスターの常識!
いかにSSIトリスター公式サイトと相互リンクしていようとも、
阿修羅となってレビューしよう! この命尽きるまで!

このゲームはすなわちタッチタイピングを学びながら
強敵を倒していくというゲームで、
一文字打つ度にあた! と声が入るというネタを思いついたので
SSIトリスターが作ってみたぞコノヤローというゲームの三作目である。
ここではその特徴、前二作との違いに触れねばなるまい。



ストーリー

時は19XX年、
世界がまだ核の炎に包まれる以前、
中国より伝わる恐るべき暗殺拳「北斗神拳」の伝承者
リュウケンの門下に若き男達が集まった。
彼らこそ、後に北斗神拳二千年の歴史上最強の時代を築く
ラオウ、トキ、そしてケンシロウ達であった!
この物語は一子相伝の掟のもとで厳しい修行に耐え抜いた
世紀末救世主誕生の記録である!

というストーリーからも解るように、今作はあくまで修行。
伝承者になる前のケンシロウがリュウケンに修行を受けるというシュチュエーションの、
超初心者向けのタイピングソフトである。のだが、ラオウもトキも出てこない

千葉繁の『ラオウ、トキ、そしてケンシロウ!』というナレーションに騙されてはならない。
基本的にリュウケンとプレイヤー(ケンシロウ)の暑苦しいマンツーマンプレイなのである。
フドウがやって来て門下生を殺されたり若りしジャギ様に含み針を吹き付けられるような
サワヤカな要素はまるでないので注意が必要だ。

修行じゃ! 修行あるのみじゃああー!!



★グロくない
なんとグロくない。つまり内臓が出ない
そもそも今作の的で人間なのはリュウケン、ハゲ、そして隠しでシンの三種のみ。
他は壁や木人、像などを殴り壊して行く仕様なのである。
さすがに初心者にいきなり内臓はマズイという判断が下ったのか、
やっと内臓否定派の意見を取り入れてくれたようだ。
よってリュウケンの内臓目当てで購入してしまうと後悔することになるだろう。
★これでタッチタイピング習得も可能
なんと可能。
今作はひたすら『あいうえお』を打ち続けるモードが搭載されてあり、
それを繰り返しプレイしていればいずれ自然に50音を打てるようになるだろう。
筆者はエヴァタイピングの同様のモードで練習したのだが、
他のどんな豪華なモードよりもこの地味な作業が上達への最短ルートだと確信した。
★声優が違う
今作の原作声優はケンシロウ役の神谷明氏とナレーションの千葉繁氏のみ。
主役とも言える(やな主役だな……)リュウケンの声は残念ながら違い、
アニメ版よりも元気そうな声となっている。
アニメ通りの声で熱血指導をされると途中で発作を起こして死んでしまいそうなので
それはまぁ別に仕方ないだろう。
というか、ハゲジジイの声など実際どうでも良いというのが動かし難い本音である。

また隠しで出て来るシンの声だがこれもまたアニメ版と違い、非常に遺憾。
トリスターのケチっぷりにも困ったものだ。
★問題が読める
問題が読める。何を当たり前のことを、と思われるだろうが、
前作は梯子、秋刀魚、海豚等、素で一瞬考えねば読めぬ漢字が多数現れ、
タイピング以前の問題で高難易度を誇っていたのだ。

それを反省したトリスターは今作で『漢字難易度選択』というオプションを搭載。
これで『小学三年生』等を選ぶとそのレベルの漢字しか出てこなくなるのである。
その結果なんとタイピング修行と同時に漢字学習まで行えてしまうという
驚異のソフトしてこの激打ZEROは君臨している。
内臓も出なくなり、もはやお子さんの教育には欠かせないソフトと言えるだろう。
残る問題は幼年期にハゲジジイの喝を受けながら育った子供に
トラウマが残らないかどうかという一点に絞られた。
★カナ入力装備
今作の目玉のひとつとも言えるのがこのカナ入力モードだ。
筆者はローマ字入力しか出来ぬのでプレイしたことはないのだが、
カナ入力の方が初めて遊べる激打が、今作となっている。
★ぬくもりが微妙
今作にもプレイヤーが腱鞘炎にならぬように
30分経過すると警告が入る人間にやさしいソフトシステムが搭載されている。
しかし前作ではユリア様の癒しだったのが、
今作はやはり主人公であるリュウケンの癒しとなっているので全く癒されない
★面白さも微……
言えぬ! それだけは死んでも言えぬ!

ステージ紹介
アイコンをダブルクリックすると千葉繁のナレーションと共に激打ZEROは始まり、

ドンドコドン ハッ! ドンドコドン ハッ!

という何か部族っぽいバックミュージックと共にタイトル画面が現れる。
「愛を取り戻せ!!」がフルコーラスでかかって来た前作とは天地の差だ。

しかもそのタイトル画面でいきなりすでに、



北斗百拳と北斗ファンが決してやってはならない誤字(正しくは百拳)を晒し、
さらによく見ると岩山両斬まで間違っているばかりか(正しくは岩山両斬)、
岩山両斬波には付かないはず北斗の冠を勝手に付けるという
まさに修羅! 壮絶! 地獄! な離れ業を見せてくれている。

どんな間違いが起これば様々なチェックを潜り抜けて完成した製品に
同時に3つもの誤りを搭載できるのかSSIトリスターという会社の底知れぬ魔性に……
は――― は――― このオレが夢にまで怯えるというのか……!!

どうやらもはやメーカーを問わず、
北斗ゲーに当たり前のことを望むこと自体が間違いのようだ。

STAGE1 北斗神拳の掟
リュウケンが徹底的にホームポジションを教えてくれる。
指ごとに対応するキーを学んだ後は永遠に順番通り突き続けることが出来、
これをボーっと繰り返していれば自然に指運びが身に付くという寸法だ。

ひと通り指使いを覚えた後は“腕試し”モードが待ち構えている。
これはリュウケンがランダムで叫ぶアルファベットをひたすら突くという修行で、
今までの成果を存分に試すことが出来る。
制限時間等もなく、ミスタイプしてもリュウケンに「だめだ!」と怒られるだけのため、
ゆっくり確実に突いていればかなりの上達が見込めるだろう。
何度ハゲジジイに怒られても決して腹を立てない無の心が大事だ。

それは良いのだが、繰り返しこのモードで練習しようと思うとその度にジジイの
「よいか! これから始めるのはタイピングの基礎における〜」
といった類の長い語りを聞かねばならず、なんとこれが飛ばせないため、
繰り返し練習するには精神的苦痛を伴う危険な修行となっている。
STAGE2 師父リュウケン指南
リュウケンが構えると画面上に文字が現れ、
それを永遠に突き続けるという過酷にしてもっとも上達の見込める今作の目玉的修行。
『あいうえお』を順番に延々と突き続ける修行から始まり、
濁音、拗音を順番に、これも永遠に突き続ける修行へと進行する。
これは実際、かなりの修行になり、
お遊び要素を求めないのであればこれだけを繰り返していれば良いだろう。

最後にこの修行にも“腕試し”モードが待ち構えてあり、
リュウケンがランダムで叫ぶ一文字を突き続ける、
これもまた基本にして最重要、上達に不可欠な修行となっている。

筆者も先に書いた通りエヴァタイピングの『あいうえお』モードで修行したのだが、
なぜこの激打ZEROで修行しなかったのか? と問われれば、
ジジイよりも伊吹マヤ嬢のナレーションの方が良かったから。
だがこの激打ZEROにも他のタイピングソフトを圧倒する要素を有している。
それは、リュウケンの文字通りの叫びシャウトである。

リュウケンはまず両手を開いて構えを取り
そしてモニターに字を浮かび上がらせると同時にその文字を叫ぶのだが、
つまりどういうことかと言うとハゲジジイが血管キレそうなほど大声で、

「ぴゃー!!」

とか、

「にょー!!」

などと叫ぶのである!
しかもそのちょこまか動く手はなんと位置がキーの位置と連動しているのだ!!

はっきり言ってこれはあまりにもアホすぎる
あまりにもシュールすぎてツボに入ると窒息死の危険もある。
事実筆者はこれで吹いた
こういうどこまで本気なのか分からないネタに弱い方は注意して頂きたい。
ある意味、内臓飛び出しよりもタチが悪い。
まさにSTAGE2にしてもっとも能率的かつ壮絶な修行と言えるだろう。
殺す気かリュウケン!

何度ミスタイプしてもリュウケンに突かれるのみでゲームオーバー等は無いため、
ゆっくりでも正確に突くことを心掛けよう。
STAGE3 壮絶! 北斗百烈拳!
出て来る壁を3枚壊すだけで北斗百拳を体得出来る修行。
しかしその薄っぺらいコンクリートの壁が異様に硬く、
実に40発もの拳を浴びせてやっと1枚破壊という能率の悪さでしかも
やってることは画面にキーボードが表示されなくなっただけで
STAGE1の腕試しモードと何の変わりもなく、
さらに一発一発のテンポが恐ろしく悪いために激打史上最悪の苦行となっている。
苦行というか、もう拷問

ここでもゲームオーバーはなく、何個壊せるか延々と殴り続けることが出来、
一体何個でカンストするのかを調べようと志したこともあったのだが
それをやるには筆者の忍耐力、精神力があまりにも足りなかったことを理解して頂きたい。
壮絶なのにも限度というものがあるのだ。
STAGE4 地獄の木人修行!
出て来る木人(デクではない)を3体壊すだけで北斗千手壊拳を体得出来る修行。
しかしこの、木で出来ているはずの木人がなぜか前ステージの壁以上に硬く、
実に44発もの拳を浴びせてやっと1体破壊という能率の悪さでしかも
やってることはキー位置のヒントがなくなっただけで
STAGE2の腕試しモードと何の変わりもなく、
これならばテンポの良いリュウケンのシャウトと戯れたほうが
まだストレスを溜めずに修練を積めることだろう。
木の砕ける音が気持ち良いだけに残念だ。

ここでもゲームオーバーはなく、何体壊せるか延々と殴り続けることが出来、
一体何体でカンストするのかを調べようと志したこともあったのだが
それをやるには筆者の忍耐力、精神力があまりにも足りなかったことを理解して頂きたい。
まさに一切の弁明の効かぬ地獄であった。
STAGE5 修羅の拳! 北斗岩山両斬破
出て来る神像を3体破壊するだけで北斗岩山両斬を体得出来る修行。
しかしこの神像がもはやわざわざ言うまでもなく異常な硬さを誇り、
しかもチョップ奥義、岩山両斬波なのにやってることは
百裂拳、千手壊拳と使いまわし拳の連打というまさに修羅の行となっている。
ここにどんなに激打シリーズが売れようと決して余計な金はかけぬというトリスターの、
例え天地逆になろうとも曲がらぬ信念を垣間見ることが出来るだろう。

ここで初めての単語入力のため、1タイプごとのボイス、
効果音によってテンポの悪さはやっと許されるレベルに達したが、
カンストまでやり込むには筆者の忍耐力、精神力が
あまりにも足りなかったことを理解して頂きたい。
そんな荒行を行っていては若い身空で白骨になってしまう。

この三つ、五十体くらいの的を一撃で破壊し続ける修行にすれば良かったのに……
STAGE6 北斗煉獄百人組手!
南斗十人組手と対を成すのか北斗煉獄百人組手!
ここではついに文章を打ち込んで百人のハゲと闘うのだが、
その名の通り百人と闘うことになる。本当に百人のハゲと闘うことになる


ハゲ ゴーヤチャンプル!!


・・・


正直、しんどいです! リュウケン先生!

ひとつの文章で一人倒せるので労力的には今までの壁やら像やらの破壊と
さして変わらないはずなのだが延々とハゲを殴り続けるのは精神的にツライです!
病みそうです! タイピング以前に心を病みそうです先生! 先生!

淡々と繰り返されるハゲとの死闘、その数百人。一言で言えば悪夢
このステージはケンシロウに体力ゲージがあり、ハゲに突かれるとそれを消費する。
当然、ゲージがなくなるとゲームオーバーになるわけだが、
百人目でゲームオーバーになったりでもしたら
小さいお子様はその場で発狂して死んでしまうかも知れぬ

ハゲ ゴーヤチャンプル!!

このステージは体力ゲージが残っている限りハゲと闘い続けることが出来るので、
一片の肉、一滴の血になるまで闘い続ける覚悟のある漢は
カンストまで挑戦してみるのも良いだろう。尚、言うまでもなくオレには無理

またここで殴らされることになるハゲは、


ある者は記憶を奪われた!

の名シーンで有名なハゲという説が濃厚らしい。
SPECIAL STAGE 宿敵現る! 狂気の男シン!
阿鼻叫喚の百人組手を乗り越え、
全ての修行を制覇し、見事、北斗神拳伝承者となることで
スペシャルステージとしてあのシンとのファーストバトルをプレイすることが出来る。
激打1ではジード戦から始まったので、今作のこの闘いこそまさにZEROバトル!

超初心者向けソフトゆえに狂気の男シン様とて弱く、
前作、前々作のようなギリギリの緊張感は味わえないが、
このタイマン形式はやはり面白い。
というか、リュウケンの修行のほうがよっぽど狂気だった
例え勝ってもストーリーの都合により負けてユリアを奪われてしまうが、
せっかくここまで辿り着いたのだから宿命の序章を存分に楽しむが良いだろう。

とりあえず最後に今作で筆者が持った感想としては、

キムさんは追い出されて正解だったな