最終章 決戦


一章終わるごとに天空に星が一つ一つ煌くという演出から、
北斗七星に準えて全七章で〆るのだろうと思っていたら六章で終わり
やはりどうにも途中までと後半のテンションが違う作品である。


稲妻鳴り響くゼンオウの城ではリンとルイが選択を迫られていた。
すなわち、服従か、死か。いずれも光なき選択。
だが、リンとルイは暗黒には屈しなかった。

「私達はどんな時でも信じます。愛を、希望を、明日の光を!
 殺すなら殺して下さい。喜んで天に帰ります」


その言葉で動揺する意外に精神的に脆いゼンオウ。
結局ゼンオウは二人を城の柱に吊るし、処刑と銘打って闘気を放った。

「天帝ルイとリンよ!
 これより先は北斗無明拳伝承者、このゼンオウが天帝として君臨するのだ!」



一方その頃、



やはり歩いているケンシロウ。
天帝の危機だとてマイペースは崩さない。



歩き、



ザコと闘い、



歩き、



ザコと闘い、



歩き、



ザコと闘い、



また歩くという行為を数セット行った後、ゼンオウはついに姿を現した。



すでに半裸、闘う姿勢は整っている。
だが、ケンシロウの目を奪ったのはゼンオウの肢体ではなく、リンとルイの死体だった。



命奪われ、吊るされる二人。

「ゼンオウ……! 北斗神拳伝承者のこのオレが、
 全身全霊を賭けてお前の野望を断つ!」

今、ケンシロウの怒りが爆発し、連射パッドもまた爆発した。
闘気とは非情の血によって生まれる物。
オレもまた連射パッドによって非情の血を纏うことが出来た。
七つの秘拳を次々と打ち出し、ゼンオウを滅多突きにする連射パッド、いやケンシロウ。



ゼンオウ、敗れる。膝を突き、敗北に唸るゼンオウ。

「負けた…… か、完全に負けた…… このオレが負けるとは……」

観念したゼンオウが龍の柱へ闘気を放つと、
どういう仕掛けなのか吊るされたリンとルイが降りて来た。
すぐさま「ケン!」と叫び、ケンシロウに駆け寄って抱きつくリンとルイ。
二人は生きていた。

というか、降りてすぐに疾走出来るくらい意識があったなら
死んだふりはやめて頂きたい。心臓に悪いので。
吊るされたままでも声くらいは出して貰いたかった。


血飛沫を上げ、無念を叫ぶゼンオウ。
その頭上にトキの霊が出現した。


「ゼンオウ…… 北斗宗家最後の拳士よ……」

リュウが忘れられている。
あとケンシロウも生きているのだから何も最後ではない。

トキに誘導尋問され、リンとルイをを処刑出来なかったシーンを告白するゼンオウ。

「ゼンオウ…… お前にも光が見えたはずだ。
 天帝の光が、万人の心を洗うという天帝の光が」


あの魔導琉拳のホシムのように、
天帝の光に心洗われたゼンオウは拳に殺意を込められなかったのか。

「そうだ…… オレはその光を前にして、二人を処刑出来なかった……」

哀しげに回想するゼンオウ。

光が…… 天帝の光が……




物理的に闘気を遮断している



ああ、なるほど! これじゃあいくらゼンオウでもこの二人は殺せないネ(*^ヮ')b
助けに行くケンシロウがやんわりと徒歩なはずである。

精神的な動揺が隠せないゼンオウは部下を全て捨て去り、同時に野望も捨てた。
と語る割に道中で何度も何度も出現したザコを僕は忘れない。



「オレは、いつも強敵と共に闘っている」

まだ生きている人まで背後霊にし、勝因解説を行うケンシロウ。
顔が切れているシェルガが不憫でならない。

今、孤独の拳、北斗無明拳にも光が降り注ぐ。


「光が見える…… 光無き、我が北斗無明拳に光が……」

号泣するゼンオウ。彼は光に包まれたまま、その祝福の中へ還った。




「ゼンオウ…… 北斗宗家最後の拳士よ。
 その誇りと共に死す。さらば、強敵よ……!」

ケンシロウもリュウの存在を忘れている
さすがはわけのわからん書き置きを残してリュウを置き去りにした漢である。
最後の最後で滅茶苦茶である。


村へ帰り、結婚式をやり直すリンとバット。
ケンシロウはやはりリンをバットに託し、再び闘いの荒野へ消えるのだった。

オレの墓標に名は要らぬ。死すならば闘いの荒野で。




黒王が生きてるのに何で今まで徒歩だったんだ、アンタは!
バカにしてんのか!!





武論尊も嘘をつくんじゃない!
そしてケンシロウは何で仲間を助けに行くときは徒歩で去るときは馬で全力なんだ!

というか、“戸田博史”ってやっぱり北斗4のストーリー書いた人じゃねぇか!
何でアンタの中では黒夜叉がいつも生きてるんだ!!
出て来てちゃんと納得のいく説明をシロ!!


これ実際のところ、歩くシーン除いたらものの数時間しかボリュームないな……