登場人物設定
ケンシロウ
 第六十四代北斗神拳伝承者だが、秘孔術の知識は薄く、先代リュウケンからは主に身体能力の高さが評価されている。
 戦時中、敵味方問わず七百人余りを殺害し、
時勢が核戦争による強制的な終戦へと導かれる間際まで、都合十三度の死刑宣告、及び執行を受ける。しかし、人間離れした強靭な肉体と、薬物に強い耐性を誇る北斗宗家の血によって、そのことごとくを跳ね除けて見せた。戦場での鬼神の如き強さから英雄視する向きもある。
 終戦間際はビレニィプリズンにて厳重にその存在を管理されていたが、核の騒乱の中、戦友のシンと共に脱獄に成功する。
 世界荒廃後はしばらく武力によって各種、軍閥、野盗を壊滅させ、水を奪っていたが、ある時、それが自ら畑を踏み荒らす行為だと気付くことになる。その後はブラックマーケットを利用し、顔を利かせて水を得る傍ら、各組織に自身のシンパを増やしていった。
 尚、マーケットで商品とされたのは主に水、食料、女ではあるのだが、ケンシロウはそれらを自身で消費してしまうため、提供者としての実績はないに等しい。ただ、旅すがら少女を見付ければマーケットで水に変えようという意思は持っている。ケンシロウが少女に反応するのは少女嗜好だからではなく、商品として値踏みを付けているのである。
 そこでリンに関してだが、彼女は第一章 第一話にてケンシロウの言う「この門は開けておけ」という命令に背いたため、奴隷としては従順さに欠け、買い手が付かない、付くにしても探すのが面倒だという考えから興味を失っている。
 その他、人間関係はトキには悪友に似た感情を持っている。レイとも彼の晩年、友情を感じる部分があり、彼の死が確定的となった後は、より大きな墓へ埋めてやろうと情に根差した行動を取ることもあった。しかし、彼の壮絶な死を目の当たりにした後は彼のみならず、彼の関係者とも距離を置きたいと考えるようになったようだ。
 水を無類の好物としている。

ラオウ
 ただただ愛に飢えた悲劇の世紀末覇者。北斗神拳一門の長兄である。
 彼が初めて愛を知ったのは青春時代のユリアに対してだった。しかし、元来、気の強いユリアに内気なラオウは話し掛けることすらままならず、
それは次第に愛に対する恐怖へと変わっていった。ユリアがケンシロウ、シンの手に落ちた後も追うことが出来ず、心に傷を残すことになる。
 その後、実力ではケンシロウをも凌ぐと言われる北斗神拳の威光を掲げ、拳王を名乗り、各種、軍閥を併合。乱世の統一へと乗り出す傍ら、決して自らに反逆することのない少女達へ偽りの愛を向けることもあった。しかし、それでも愛への飢えは満たされず、ユリアの生存を知るや、今度こそはと愛馬、黒王を走らせる。
 だが、そのことにより、拳王の迷走はさらに続くことになる。
 南斗の居城でユリアこそ手中に収めるもののケンシロウに存在を抹消され、致命的な敗北を喫した彼は、ユリアへの愛か、ケンシロウに兄としての威厳を示すための拳か、二者択一を迫られることになる。
 結果、拳を選んだラオウだが、繰り出す拳の中に思い出すのは幼少の頃、共に拳を磨き、可愛かった義弟、ケンシロウの姿ばかりだった。彼は拳を選んだはずの自身がしかし、実はやはり愛を選んでいたのだと、最期の闘いの中に知るのであった。

トキ(アミバ)
 戦時中、対毒機能に優れる等、常人離れした生命力を持つ、北斗宗家の血を軍事利用しようという働きから生まれたラオウのクロ−ン体である。
 しかし、戦争の激化に際して計画は中断され、
製造された“トキ”は例外なく精神の乱調、呼吸器の不全という疾患を得ることになってしまった。
 身体的なハンデを背負う“トキ”達が世紀末を生き抜くのは大変厳しく、生き残りが確認されているのは今作で“トキ”と呼称されている人物ともう一人、アミバのみとなっている。
 そのアミバにしても兄とも言えるラオウの姿を完全には覚えていなかった。

ジャッカル(ジャギ)
 本来、ジャギという名の北斗の三男坊ではあるが、今作では主にジャッカルと呼称されている。北斗神拳の伝承者にケンシロウが選ばれたことを不服とし、彼に挑むが敗北。秘孔を突かれ、一生傷を得ることになる。
 世界荒廃後はケンシロウに成り済まし、彼の悪評を煽るが、さしたる効果もなくケンシロウによって討たれる。

デビルリバース
 北斗の五男坊で、その体格を活かした拳の腕は他の兄弟達を圧倒するものがあったが、あまりにも成長し過ぎた彼の肉体は暗殺拳である北斗神拳にそぐわないという理由から破門の憂き目を見る。しかし、その後も実の兄弟であるケンシロウとは交流を持ち、
戦場ではケンシロウと共に大量の屍を築き上げた。
 その為、共に七百人を虐殺したと言われる猛勇から戦争責任を問われ、ビレニィプリズンに投獄。ケンシロウと同じく都合、十三度の死刑執行を受けることになった。しかし、彼のその巨大な肉体はあらゆる拷問器具を無効化させ、ことごとくを生き延びるに至らせる。
 世界荒廃後も彼は半ば自らの意思で牢の中へと居残り続け、いつかケンシロウが北斗神拳伝承者として自分の拳を封じに来る日を待っている。
 やはり拳法の天才で、北斗神拳破門後は難易度の高い羅漢仁王拳を習得していた。

シン
 南斗六星の一人、殉星を持つ南斗孤鷲拳の使い手である。
 戦時中はケンシロウの戦友として共に猛勇を誇り、その結果、同じくビレニィプリズンへと投獄されることになる。
 その後、ケンシロウ脱獄時に共に脱走に成功し、手近な屋敷から家畜を奪い、それを資産に逃亡しようと考えるが、美しいユリアに心奪われてしまう。そしてケンシロウとの奪い合いに発展し、敗北。ユリアはケンシロウの手に渡る。
 ケンシロウはユリアについてあくまで売り物の家畜と考えており、金銭に交換しようと動くのだが、時勢は彼の予測の範疇を超え乱れていた。金銭を得たところですでにただの紙としての価値しかないことを知るのである。ユリアが重荷となったケンシロウは彼女を埋めようとするが、そこに現れたのが一年前のシンであった。
 ユリアを奪ったシンは彼女の気を引くため、サザンクロスを建国する傍ら、話し相手として豚を集めており、その一匹がハートであった。
 尚、シンは戦場で人を殺し過ぎた影響で精神を病んでおり、異常行動が目立つようになっていた。

レイ
 南斗六星の一人、義星を持つ南斗水鳥拳の使い手である。
 幼き頃、妹のアイリと共に牙一族の村に捨てられ、牙長老の庇護の下、すくすくと育つ。しかし、彼が南斗水鳥拳の伝承者に選ばれたことで運命は一変した。
牙一族内の派閥であり、穏健派の牙長老とは真逆の武闘派、牙大王に目を付けられるのである。
 牙大王の勧誘を断ったレイは報復としてアイリを奪われてしまう。
 結果、どこに売られたかも判らない妹を追い、レイは村を出ることになったのだが、元々レイは都会嗜好が強く、どのみち村を出ようという考えを持っていた。洒落者で、牙一族の象徴である狼の毛皮を被るファッションにも反発があったようだ。
 謀略の果ての旅路に疲れた彼は荒れ荒み、飢えた狼のような眼をしていたが、アイリを取り戻したことで義の男へと戻り、晩年は愛を知ったマミヤのために生きた。ただ、元来のお人好しな性格を取り戻した結果、人に騙され易くなった感は否めない。
 ケンシロウについてレイは、アイリの眼を治してくれた恩からも友情を感じている。

ユダ
 南斗六星の一人、妖星を持つ南斗紅鶴拳の使い手である。聖帝サウザーの軍師であり、拳のみならず知略にも能力を発揮している。
 レイとは南斗の道場で共に拳を磨いた仲で、
その出会いが彼にとっての人生の転機となった。レイの拳法の腕と共にその美貌にも強い羨望を抱いていることを知ったユダは、自身のナルシズムを超えた場所にある、ホモセクシュアル嗜好に気付いたのである。
 元来、独占欲の強い彼ではあるが、心より美しいと認めるレイには手出しが出来ず、噴悶とした日々を過ごしていた。レイが居城に現れた際につい隠れてしまったのもそのためであり、「兄貴」という彼に対する呼称もイメージプレイの中の設定の一つである。
 しかし、レイがマミヤを愛していると知るや自制を失い、直接、村へ足を運ぶことになった。
 結果、命を落とすことになるが、レイもまた成就しかけていたマミヤとの恋に敗れたのだから、彼の最期の知略はこれ以上ない成果を残したと言えるだろう。

シュウ
 南斗六星の一人、仁星を持つ南斗白鷺拳の使い手である。
 聖帝の圧政に反抗するためのレジスタンスを組織するが、同じ南斗門の仲間達はそのほとんどが聖帝へと付き、また自身の能力もサウザーに劣ることから勝機を失っていた。
 そんな中で、唯一の希望と成り得たのが北斗神拳の伝承者、ケンシロウの存在である。彼の協力を得て聖帝を倒すことこそが彼の望みであり、結果、自身は死すともケンシロウは役目を果たしたのだから、悔いのない人生だったであろう。
 尚、彼は少年時代のケンシロウを視力と引き換えに救っているのだが、ケンシロウにその記憶は明確でなく、最期の瞬間こそ何か記憶に引っ掛かりを覚えたようだが、結局、彼がはっきりとシュウへの恩を思い出すことはなかった。

サウザー
 自ら南斗聖拳の帝王、聖帝と名乗る南斗六星、南斗鳳凰拳の使い手。星は極星、または将星、独裁の暗示を持ち、まさしく世紀末に独裁者として君臨した。拳王軍と同盟を結んでいたが、一時、拳王軍が霧散した後、離反し、その勢力を圧倒的に広げる。
 火炎放射器等、古代武器の復元にも精力的に手を出し、また配下にも南斗の門下は当然、弓の名手が側近として複数控えており、軍閥としての強さは計り知れない。
 加えてさらに先天的な右胸心で秘孔の位置が常人とは違い、北斗神拳の奥義を受け付けず、一騎打ちにも無類の強さを誇る。そのため、拳王軍ですら手を出せなかった。
 尚、ケンシロウの言う「お前の謀略のために果てた四人」とはリョウ、ケンシロウ(一度目)、ケンシロウ(二度目)、シュウのことである。

ユリア
 南斗正統血統で慈母の星を持つ、南斗最後の将であるが、その運命に目覚めるのは後半であり、人生の大半を家畜として過ごした。強引に自分を奪い去ったケンシロウを白馬の王子様だと思っている。口数が少なく、謎の多い人物である。
 血筋の影響で未来予知、ヒーリング等、様々な超能力を使うことが出来、彼女の周囲で不可思議な出来事が頻発するのもその運命の中の一つであった。

リン
 本能的に優れた男を見抜く眼力の強い少女で、ケンシロウの生命力の強さは世紀末における理想の男性像だと感じている。彼には再三再四、邪険に扱われるが、それでも長期的な保身を考えれば手放せない男性だと思っているのである。
危ない橋には違いないが、ケンシロウは自分を捨てられないと確信しているからこその行動であろう。
 もっとも、最終的にはその生き方が間違いであることに気付くのだが。
 ケンシロウを追って村を出た後、一時、拳王軍に捕らえられ、彼女を見初めたラオウによって解放されている。しかし、鎧を脱ぎ、お忍びで村を視察していたラオウについて、リンはラオウだと明確には認識してない。ただ、何となく親しみを感じているようではある。
 尚、第一章 第一話で受けた残悔積歩拳だが、ケンシロウの秘孔術は極めて不安定であり、最後まで効果は確認出来なかった。

バット
 ケンシロウの非情さに恐怖を感じると共に、その強さには淡い憧れを持っている少年。

フドウ
 南斗最後の将を守護する五車星の一人、山の字を持つ大男で、かつてユリアに命の大切さを教わったことから彼女に心酔している。それ以前は鬼のフドウと呼ばれ、悪逆の限りを尽くしており、修行時代のラオウですら芯から恐怖したという。
現在は多くの捨て子達を引き取り、父と慕われる善のフドウへと改心している。
 しかし、ユリアに心酔する余りリハク派からは煙たがられており、リハクの掲げる、ケンシロウを迎えることでの南北統一計画にも幾ばくかの疑問を抱いている。最終章、ラオウとの闘いで命果てることになったが、実際はリハクの手引きによる謀殺であった。

リハク
 海の字を持ち、最後の将を守護する南斗五車星の軍師役ではあるが、実際はユリアを餌にケンシロウとラオウを消耗させ、慈母の名を傀儡に乱世を思うまま操ろうと企む野望の策士である。無能を装いながらその陰で配下のシバを動かし、
サウザーとケンシロウ解放の交渉を行い、結果、ケンシロウが見事、サウザーを打ち果たした後は慈母星の名の下に南斗義勇軍の旗を掲げ、サウザー配下の南斗門を吸収。聖帝の崩落を拳王は喜んだが、最も益を得たのはこのリハクだったのだ。
 その後は幾度にも渡りケンシロウとラオウを衝突させ、また拳王軍に情報を流すことでユリア派のフドウを謀殺したりとその策謀は狡猾極まりなかった。

シバ
 シュウの息子ではあるが、レジスタンスには加わらず、南斗義勇軍へ席を置いている。ケンシロウがサウザーに敗れ、拘束された際にはリハクの文と一万本の矢を持ち、次に闘う際には一切介入しないという条件付きでケンシロウの解放に成功した。
 リハク最大の腹心で、身も心も彼に捧げている。

マミヤ
 用心棒として雇ったレイと恋に落ちるユリア似の美女。ケンシロウからも求愛を受けていたが、彼女が選んだのはレイであった。しかし、レイに疑惑が浮上した後は恋に浮かれていた自分に気付き、急激に冷めることになる。

アイリ
 レイの妹で、牙大王の計略によってブラックマーケットに出品され、不運な人生を歩む。その為、ケンシロウ、レイらに救出された後も無力感のまま、流されるように生きていたが、次第にリンの逞しさに打たれ、力強く生きることを心に決める。
 自ら薬を浴び、視神経が麻痺していたところをケンシロウの秘孔建明によって救われた。その事により、ケンシロウへは淡い好意を持ってはいるのだが、兄の硬いガードと長年根付いた男性不信により、彼からの求愛に応えることは出来ず、レイに疑惑が持ち上がった後はケンシロウの方から距離を置く悲恋となった。

長老(リュウケン)
 リンの村で長老として生活しているが、実際はケンシロウにより記憶を封印された北斗神拳先代伝承者、リュウケンである。伝承者の座を譲るに当たり、まず拳を封じるべきはリュウケンその人であるというケンシロウの考えから不意に襲撃を受け、記憶を奪われた。
しかし、ケンシロウとの偶然の再会から漠然とだが記憶を取り戻し、憎しみの感情を燃え上がらせる。
 その後、リンと共にケンシロウを追って旅に出るが、リンが拳王軍に捕らえられ、二人はそこで逸れることになる。
 やがて流れ着いたマミヤの村で長老歴の長さを買われ、しばらく穏やかに過ごす内にケンシロウへの恨みもいつしか忘れていたが、ふとした切欠でまた再燃することになった。

ジード
 そこそこ名の知れた野盗団で、リーダー、ジードの名がそのまま組織名として通っている。その事からも判る通り、リーダーのカリスマで成り立っている集団である。仲間意識も強く、メンバーの死には涙を流す者もいた。

ハート
 ユリアの話し相手としてシンが集めた豚の中でも宮殿に住まうことを許された高位の豚。話せるようにしてくれたケンシロウに恋愛感情を抱き、求愛するが跳ね除けられ、非業の死を遂げた。

ジャッカル
 中規模を誇る野盗団のリーダーでジャッカル・マコ、ジャッカル・アキという二人の息子がいる。学生時代は演劇部に所属しており、その実績からデビルリバースに取り入ろうとするが、彼の固い信念を突き崩すことは出来なかった。息子の前では良い父親であった。

牙大王
 牙一族タカ派のボスで、度々に渡り周囲の村々を襲った。
 南斗水鳥拳免許皆伝の腕前のレイを自分の派閥に組み込もうとするが拒否され、その報復にアイリをブラックマーケットへ売り捌く。
 その際、裏から手を回し、実働部隊はジャッカル(ジャギ)の組織だったことから、レイもアイリも黒幕が牙大王だとは気付いていない。その事からも牙大王の裏の権力が窺い知れる。
 尚、ケンシロウはこの牙大王の一派の一部とネットワークを持っており、牙大王派閥と言えども一枚岩ではない。事実、コウ殺害は彼らケンシロウ派閥を陥れようという、牙大王派閥の内部抗争の結果であった。

牙長老
 牙一族の谷に捨てられていたレイ、アイリの二人を育てた心優しい小老人。牙長老をリーダーとする牙長老派は過激な牙大王派とは相容れず、対立関係にあった。ケンシロウ、レイによって牙大王派が壊滅した後は牙一族の名を捨て、静かに暮らした。

トヨ
 バットの村で子供達の母親代わりとなっているが、実際は男性で、女性への憧れから保母のような役を演じている。近年、物忘れが激しくなり、また奇行も目立つようになった。具体的にケンシロウに何をしたのかは一切不明。

ジャッカル・アキ
 目がケンシロウに似ていると言われる少年で、父はジャッカル、兄はジャッカル・マコ。父の死後は親戚の老人に引き取られ、足の不自由な兄を再三再四に渡り手助けした。
 実際は目だけでなく、声もケンシロウによく似た低音で、
ジャギの怒りを買ったことから無残な最期を遂げる。ケンシロウもまた、自分に似た少年の死に激怒することになったのだが、兄弟はケンシロウという名を父の仇と認識している。
 尚、死の間際にケンシロウに名を聞かれ、ジャッカルと答えたアキだが、そのことにより“ジャギ”と“ジャッカル”の響きの酷似から混乱したケンシロウによって誤解が広がってしまった。

ニセラオウ
 北斗神拳の使い手の名を語る男。非常に口が上手く、木人形狩り隊へ話した自身の履歴はそのほとんどが詐称である。
 トキの正体が能力に劣るアミバだと知った彼は
アミバをトキとして倒すことで各種軍閥に自分を売り込もうと考えていた。
 記憶障害のあるアミバからラオウと誤解された後はその場の閃きで自身を彼の兄だと偽ったが、そのことが逆に命を縮める結果となった。

ウイグル
 拳王軍の重要拠点、カサンドラを任される獄長である。老婆の物真似が得意で、好々婆を装って毒入りの水を飲ませ、その後、一方的に恐怖を植え付けるという凶悪な拳法の使い手だったが、元々毒に強いケンシロウを相手にしてしまったのが不運だった。

ライガ/フウガ
 二神風雷拳を使う、カサンドラの衛士。ウイグルから弟のミツを人質に取られており、その為、衛士として利用されている身分ではあるのだが、実際は仕事ぶりの良さからかなりの高待遇を受け、今の地位に満足している。元々自分達と容姿の違う弟への情は薄い。
 現在の生活水準を維持することを至上の目的としており、ケンシロウがやって来るという情報を得た後は取り入るための計画を綿密に練っていた。
 しかしその計画は失敗し、逃亡の際、獄舎への通路で注意力の不足から罠を踏み、揃って息絶えた。

デカいババア
 かつて、サザンクロスでユリアの話し相手をしていた豚だったのだが、ユリアと親しくなり過ぎたためにシンの怒りを買い、国外追放の憂き目に遭う。
 その後は辺境の地で一人家を構え、質素に生活していたが、
ユリアに似たマミヤが現れたことにより懐かしく思い、水を馳走した。
 非常に気立てが良く、ケンシロウからも好感を持たれるが、秘孔の失敗により非業の死を遂げることになった。

黒王
 ラオウの愛馬で、元々は群れを率いる馬軍の王だった。ケンシロウの秘孔術により人間の言葉を話せるようになった後は、話し好きで、割とフランクな素顔も見せた。ケンシロウと意気投合し、ラオウの死後は彼の愛馬となる。