魔に魅いられし者…… ……その名は……!!?
父子永訣の章

山崎は「我流喧嘩空手みせたるぜぇ!!」と流派を名乗ってテリーへ襲い掛かりました。
ダウンしたテリーをこれでもかと何度も蹴りました。
肝臓、胃、鼻骨と見事に急所を打ち抜かれ、
人間ならあれだけのダメージうけて立ちあがるなんざ絶対できねぇダメージでした。
ですが、テリーは何事もなかったかのように起き上がりました。
山崎は怒ってさらに首相撲からのチャランボを何度も打ちました。
しかし逆にテリーに殴り飛ばされました。
なぜテリーにダメージがないのか誰にも解りませんでした。

そこで、物知りなマリーが解説を始めました。
「!! そうか 八極拳 気の奥義!」
マリーは敵にも聞こえるように大きな声でハキハキと言いました。

「テリーはあの拳聖タン・フウ・ルーに気を学んだときく
 それは相手の攻撃を風のように…… 水のように…… うけ流し その力を吸収してしまう……
 だから一見かなりの技を急所にくらったようにみえてもその実……
 テリーの体にダメージはない!!!」


ここへ来てまた唐突に吸収鋼霊身の設定が復活していました。



そして本当はタン・フウ・ルーではなく、ジェフの霊の教えだったことも
ぼくには昨日のことのように思い出せました。
さらに言えばタン大人の名前はタン・フウ・ルーではなく、タン・フー・ルーでした。
マリーはタン大人を拳聖と称えながらも、肝心の名前を間違うという失礼なことをしました。

追い詰められた山崎はまたゲームの餓狼伝説にはない気弾を打ちましたが、
テリーには効きませんでした。



でもドサクサで突き刺した匕首は普通に刺さりました。
結局、刃物が強いんだなと思うとぼくは情けない気持ちになりました。
テリーは山崎を卑怯だと罵りました。
山崎はさらに砂を蹴ってテリーに目潰しを行いました。
このボンボン餓狼3でテリーが目潰しを狙われるのはこれで双角に続いて二度目でした。



いつかの罰が当たったんだな、とぼくは思いました。
卑怯なことをするといずれ自分に跳ね返ってくるのでしない方が良いというメッセージを
ぼくはこの一連の作品から受けました。
それがこの漫画を読んで賢くなった数少ない部分でした。
後は全体的にあまり良い方向へは向かいませんでした。

山崎はトドメの一刺しを行いました。
だけどそれは庇いに入ったフランコのお腹に刺さりました。
みんながビックリしました。
フランコは息子をテリーに託し、



山崎を道連れに、予想通り崖から落ちて行きました。
テリーは狂ったようにフランコの名前を呼びました。
山崎竜二の最後の言葉は「ひぇぇ〜〜〜っ」でした。

その様子を見て、崇雷と崇秀はクスクスと笑いました。
二人は山崎の資金と組織を利用していただけなのでした。
「本当にきたねぇのは…… 一番ひきょうなのはおまえら……か!」とテリーは怒りました。
ぼくは石を投げたりサイドカーで人を轢く大人には言われたくないと思いました。

崇秀は帝王天眼拳と思われる気弾を撃ちました。
するとテリーは吹き飛んで、ダメージを受けました。
なぜか吸収鋼霊身が通じませんでした。
崇秀は「ぼくらの(パワー)は山崎なんかとはちがうからね」と言って
その仕組みを説明したので、ぼくはそうなのかと思うしかありませんでした。

今度は帝王宿命拳なのか、崇秀は大きな気を練り出しました。
危険と見たマリーは必殺技でカットに入りました。



でもゲームのこの必殺技はバーチカルアローでした。
語感こそ似ていますが、バーチカル(垂直)とバーチャル(仮想)では違いすぎだと思いました。
何がバーチャル(仮想)なのかまったく意味が解りませんでした。
この漫画は全体的に必殺技の名前を間違えすぎだと思いました。
まるで知性を感じませんでした。



崇秀は怒ってマリーにビンタを出しました。
NEOGEOCD版の風雲黙示録を笑顔でプレイ出来る崇秀がこの怒りようです。
それはぼくの怒りを代弁したかのような激しい怒りでした。
相変わらずこの漫画の登場人物達は受け身という物を知りませんでした。

崇秀が再び気を手に集めると、今度はどこからかビームが飛んで来てそれを邪魔しました。
「そのゲーム俺達もまぜてくれ」



それはジョーとアンディでした。
1ページも使っての派手な登場ですが、まるで役に立たないことは容易に想像出来ました。
そして、空を見上げると舞もやって来ていました。
崇雷、崇秀、舞は今や普通に空を飛んでいました。



破邪鎮魂の章

舞は空からテリー達にメンチを切ると、
かめはめ波のような物を狂ったように何度も撃ちました。
舞――秦天龍は、ギースを倒したテリーの実力を高く評価していました。

舞はテリーのことを“学習型”だと言いました。
相手が強ければ強いほど実戦の中で成長するタイプだと言いました。
それを聞いたので、崇雷と崇秀も全力でテリーへ仕掛けました。
テリーは兄弟から二人掛かりで殴る蹴るの暴行を受けました。

アンディは早速カットに入ろうとしました。
しかし、テリーが一喝し、それを止めました。
テリーは舞と同じく、崇雷と崇秀も操られているだけだから傷つけるのは駄目だと正義ぶりました。
そう言われたので、せっかく派手に加勢に駆けつけたアンディとジョーは
何もすることがありませんでした。

手出しの出来ないテリーへ向かって舞達三人は気弾を何発も撃ち込みました。
舞は「破ッ 破ッ 破ッ 龍破弾!!」とリズム良くボンボン奥義を繰り出しました。
それでもテリーは反撃をしませんでした。
見ていられなくなったジョーはついに約束を破って飛び出しました。
出した技は「疾風パーンチ!」というボンボン通常技でした。
ここへ来て間違い以外のボンボン技が目に付くようになりました。
最後なのでハメを外しているのだろうかとぼくは訝しげに思いました。

そのパンチを止めたのはテリーでした。
テリーはどうしても子供達を傷つけたくない様子でした。
そうこうしている内にジョーは蹴られて顔が岩にめり込んでいました。
まるで役に立ちませんでした。
舞達は尚も気弾を撃ち込み続けました。
ちょっとしつこいんじゃないかとゲンナリするほど撃ち続けました。
ですが、それでもテリーは笑って起き上がりました。

さらに続けてもっと気弾を撃ち込もうとした舞達でしたが、
力の使いすぎで生々しく嘔吐してしまいました。
このシーンは食事中や食後には読みたくないと思いました。
でも、今はその食後だったので辛い思いをしました。

テリーはゲロを見てニヤリと笑いました。

「思ったとおりだ おまえらもう…… 限界だろ?
 おまえらがえらんだ支配しやすい体は今までつかったエネルギーで……
 オーバーヒートだ……」


一方的に攻撃をさせたのはテリーの作戦でした。
支配し易い女子供の体は同時にまた長続きしない弱い体だったのです。

テリーは代わりに自分の体に入って来いと天龍達を誘いました。
天龍達はギース以上の精神を持つテリーの体を支配することは出来ません。
しかし、三人全部がテリーの体に入れば可能ではないのか?と、
テリー自身がそう言って誘いました。



ガバアッという擬音が付いていますが、セクシャルなシーンではないので
読んでいる人達は気をつけて欲しいと思いました。
天龍達は「よかろう――!!!」と言って嬉しそうにテリーの中へ入りました。
ですがテリーのわんぱくな精神は三人掛かりでも支配出来ませんでした。



テリーはくああーっパワーゲイザーを撃ち、悪霊を外へ追い出しました。
すると、アンディとジョーがここぞとばかりに必殺技を出して悪霊を消しました。



最後の一匹はテリーのパワーダンクでした。
ゲームではあまり使えない作品の多いパワーダンクですが、
ボンボン餓狼3ではビルも壊すし悪霊も払うというとても印象的な技でした。

テリーは後は舞達が起きるのを待ってフランコの息子を救いに行けば良いと言いました。
フランコの息子のことを覚えていてくれてぼくはホッとしました。
そして秘伝書を崖下へ放り投げ、



まるで死んでしまったかのような演出を最後にこの作品は幕を閉じました。
とても面白かったです。

でもぼくは天龍達は悪霊状態で技を受けたらジョー如きの技でも簡単に滅びるのだから、
別にテリーの体に悪霊を入れる必要はなくて、その前に舞達の体から出た時点で
何か技を出せば簡単に終わったんじゃないのかな?と疑問に思いました。
テリーの体に入れたのはとても無駄な行為だったような気がほのかにしました。
皆さんはこのことについてどう思うでしょうか?



ここでゲイザーでも出せばすぐ終わった。おしまい