名無し画伯
KOFヒロイン会議2005
「さてさて三度やって参りました!
 誰がヒロイン? と聞かれてもイマイチはっきりとした答えのない
 KOFシリーズのヒロインを決定しちゃう会議が今ここに!」



「……あのー」




「さぁ今回こそ私がKOFのヒロインだと認めさせるわよ!
 もうただ歴史があるだけでとうにピークを過ぎた老害なんかは排除排除!
 私のように永遠に輝き続ける真のヒロインこそが
 KING OF ヒロインにふさわしいのよ!」


「……もしもーし」




「不知火舞! 不知火舞に一票お願いします!
 いやもう一票と言わず二票三票とお願いします!」




「……舞さん?」




「何よ、さっきからうっさいわね。
 前口上中に口を挟まないのはこの業界の常識でしょうが」




「いえ、そうでなくてですね」




「アンタだって『アテナ、行っきまーす!』のシーンで
 蹴り入れられたりしたら腹立つでしょうが!」




「いえ、それは確かに腹は立つのですが、舞さん居ません」




「……は?」




「新作のTHE KING OF FIGHTERS XIには舞さん居ないんです。
 今までお疲れ様でした。舞さんとの思い出、忘れません」




「…………」




「今までお疲れ様でした。舞さんとの思い出、忘れません」




「……次のKOFの招待状って、もう来てるの?」




「とっくに……」




「ちょっ! 嘘でしょ!?
 アンディだってまだ招待状来ないって言ってたわよ!?」




「アンディさんには普通に来ません」




「嘘よ! 信じないわ! この私がレギュラー落ちなんて!」




「これでKOF皆勤賞は私だけになりましたので、
 もう誰がヒロインだったのか論ずるまでもないと思うのですが」




「ちょっと、アテナちゃん! 私も私も! 私も皆勤賞だよ!」




「あ、あれ? そうでしたっけ……?」




「今までは遠慮してたけど、これで私も立派にヒロイン候補よね!」




「私もですね」




「え、ええ…… まぁ確かに皆勤…… あれ!?




「どうかされましたか?」




「いえ、あの、ナコルルさんはシリーズが違いますので……」




「どういう意味ですか? 私もKOF2000のストライカーで活躍していますので、
 ヒロインの話をするならば欠かせない存在かと思うのですが」




「いえ、しかし皆勤賞の私とストライカーでたった一回出ただけのナコルルさんでは、
 土台からしてあまりにも違いますので……」




「私もね!」




「そうでしょうか? 私はダラダラとした回数よりも密度だと思うのですが。
 ただでさえ長々と続いているシリーズですし、
 重視すべき場所が違うのではないですか?」



「そ、それよ! よく言ったわね、アンタ!
 今回ばかりはアンタに賛同するわ!」




「ええ、ネオジオ バトルコロシアムのヒロインも私ですし、
 そろそろこの問題も統一されるべき時期に差し掛かっていると思います」




「いや、違うでしょ。アンタ公式のキャラクターの欄の並びが見えないわけ?
 普通に考えて左端の私がヒロインじゃないの」




「何を言っているのですか?
 左上の段から右に数えて最初の女性キャラがヒロインなのは
 一般常識の範疇だと思いますが」



「は? 何言ってるわけ?」




「何でしょうか?」




「アイちゃんじゃないの?」




「いえ、KOFのヒロイン会議ですからね、それ以前に。
 盛り上がられているところ悪いのですが」




「まぁ何にしても、私が発表されてからでしょ」




「??? 発表、とは……?」




「いや、隠しキャラでしょ、私。冷静に考えて」




「えー、隠しはないんじゃないの?」




「立ち直りが早いですね……」




「だいたい、フィギュアの新作も出ないようなキャラが
 ヒロイン語るなんてちゃんちゃらオカシイってのよ」





餓狼伝説 不知火 舞 (1/8 PVC塗装済み完成品)


「見なさい! この見事に統率の取れた完璧なるプロポーション!
 これが格闘ヒロインの最高峰でなくて何だって言うのかしら?」




「相変わらず品のない立ち姿ですね」





サムライスピリッツ ナコルル (1/8スケール PVC製塗装済み完成品)


「私のように活動的なポーズでアクションヒロインとしてのイメージを表現しながらも
 決して清楚さは失わない、清らかな佇まいこそがヒロインには要求されるのです」




「……よく居るのよね、貧相なプロポーションを
 “清純派”なんて言葉で取り繕う三流アイドルが」




「そうですね、無駄に肌を晒すことで“癒し系”などと
 意味の解らないことを仰る三流グラビアと同じくらい見掛けます」




「…………」




「…………」




「私もピンキーなら……」




「あ、ねぇねぇ、私気付いちゃったんだけどさ」




「…………」




「…………」




「ねぇ、ちょっと良い?」




「何でしょう?」




「うん、フィギュアだけどさ。
 これ何で舞ちゃんは12歳以上対象ナコルルさんは15歳以上対象なんだろ?
 逆じゃない? 普通」



「……確かに。
 逆という意味では12の逆で21歳以上対象が正しいような気もしますね」




「それは単に私の人気が幅広い年齢層にまで広がってるからでしょ。
 ファミリー向けの売れ筋商品と末期のマニア向けコアアイテムの差が出たのね」




「私の繊細で壊れ易いイメージと舞さんの少々乱暴に扱っても壊れそうにない
 極めてがさつなイメージを考慮した結果、そのような対象年齢になったのでしょう」




「…………」




「…………」




「それでさそれでさ、私また気付いちゃったんだけどさ」




「…………」




「…………」




「ねぇ、ちょっと良い?」




「何でしょう?」




「うん」








「KOF MAXIMUM IMPACTのジャケット裏なんだけどさ。
 CEROさんのチェックで暴力はまだしもセクシャルが付いちゃってるわけ!」




「確かにあのゲームはアテナがやり過ぎたわよね」




「舞さんも充分にやり過ぎだったと思いますが……」




「私もどうだろう……?」




「……まぁ、全体的にやり過ぎたわね」




「……哀しい人達」




「うん、それでさ、それでさ」








「KOF'94RE-BOUTも」








「KOF2003にもセクシャルが付いてるんだよね!」




「そうみたいですね」




「あれじゃない? 女の子が格闘してたらそれもれなく付くんじゃないの?」




「でねでね、私、餓狼 MARK OF THE WOLVESも買ったんだけど」




「……ゲーマーなんですね」




「うん」








MOWには暴力マークしか付いてないんだよ!!




……!?




……!?




「MOWにはなくてKOFにはあるモノってさ……」




「何でしょう……?」




「……ま、まさか!」




「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」




「そう、舞ちゃんなのよ! 舞ちゃんは存在自体がセクシャルなのよ!
 舞ちゃんが出るだけでもれなくジャケ裏にセクシャルマークが付くのよ!!」




「だからKOFをクビになったんでしょうね……」




「それは悲惨ですね」




「凄い!? ユリっチ天才!?」




「ちょ、ちょっと待ちなさいって! バカでしょ、アンタ!
 MOWにも居るじゃないの! ほら、あの、ジェニーって子!!
 あの子だって充分セクシャルじゃないの!?
 それにあのほたるって子の超必殺技だって!!」


「しかし現実として餓〔GAROU〕狼にセクシャルは付いていませんし、
 やはり舞さんが原因としか……」




「悲惨ですね」




「待ちなさいって!」




「もう無理なんだよ、舞ちゃんは……
 今の時代はジェニーちゃんまでがギリギリで、
 舞ちゃんまで行っちゃったらもう犯罪なんだよ……」



「人を犯罪の基準に使うんじゃないわよ!」




「悲惨です」




「これでもう舞さんの脱落は決まってしまいましたね」




「べ、別にちゃんと肌を隠せば良いんでしょ!?
 コスチュームチェンジくらいいつだってやってやるわよ!!」




「え? 露出を失った舞ちゃんに一体何が残るの……?」




「悪循環ですね……」




「……かわいそうな人」




「……それ、言いすぎじゃないの? アンタ達」




「まぁ舞ちゃんが犯罪なのは置いといて、
 早く誰がKOFのヒロインなのか決めようよ」




「そうですね、では第一候補は私ということで」




「いえいえ、ナコルルさんは基本的にサムライスピリッツのキャラクターですので……」




「先程も言いましたが、ヒロインを決めるには密度が大事なのではないでしょうか?」




「いえ、ですからその密度もナコルルさんはストライカーで一回出ただけですし、
 セリフも『お願い……』と『ふぅ……』だけでしたからね」




「たったそれだけの言葉でレギュラーの方以上の存在感を見せた私の魅力が怖いです……」




「…………」




「でも、そんなナコルルさんも私の裏ストライカーだったんだよね!
 何か共通点あったのかな? 私達」




「痛々しいところじゃないの?」




「あー! 舞ちゃん、ひっどーい!」




「思い当たる節がまるでありませんね」




「何か私、この人達と話してる限りヒロインが決まる気がしません……」