這炎ドット師 KOFヒロイン会議 〜僕と彼女の熱い夏〜
「まるで終わりの見えない迷宮のように答えので出ない、
 KOFにおける正ヒロインは誰なのか? という永遠のテーマについて議論する、
 甘く切ないKOFヒロイン会議、始まるわよ!」



「そう言う舞さんはすでにレギュラーから外れているわけですが、
 その辺も含めて話し合うヒロイン会議、今回もスタートですね」




「レギュラーコンビとして頑張ろうね!」




「はい、その点においては私とユリさんは同志ですからね」




「むむ! こしゃくな!」




「私もですね」




「ええ、一本の矢を折るのは容易いですが、同じ目標へ向け、合わさった三本の矢、
 三人の同志の心を折ることは容易では、ええ!?




「どうかされましたか?」




「いえ、しつこいようですが、ナコルルさんはサムライスピリッツシリーズの方ですので、
 KOFのヒロインとしては少々土俵が違うのではないかと……」




「それは妙な話ですね。
 私がTHE KING OF FIGHTERS 2000のストライカーで活躍しているのは
 わざわざ説明するまでもない周知の事実ですが、」




熱闘 ザ・キング・オブ・ファイターズ'95


「加えてこのようにゲームボーイの熱闘ザ・キング・オブ・ファイターズ'95にも
 私は隠しキャラという高待遇で出演しています」




「そんなのありましたっけ!?」




「何のコラだい?」




「コラではありません。
 特に鷹に掴まらずとも空中でコマンドを入れれば普通にヤトロポックが出る名作ですね」




「アンタの名作の基準には賛同しかねるわ」




「ちなみに使用コマンドはTAKARAのロゴが出ている状態で
 セレクトボタンを連打です」




「聞いてねぇよ!」




「いえいえ、先のザ・キング・オブ・ファイターズ完全読本における
 FALCOONさんの描き下ろし表紙イラストでも」





ザ・キング・オブ・ファイターズ完全読本





「私はこのように重要なポジションを与えられていますしね」




「ほとんどナコルルを探せ! になってるじゃないのよ!」




「……シャッター降りかかってるのですが」




「それは日焼け対策ですね。
 もっとファンの方々の声援にお応えしたかったのですが、
 私の新雪のように瑞々しく白い素肌を保つためには
 色々と日常生活から気を配らねばならないのです」


「¢(..)」




「ユリ…… メモはしなくて良いのよ」




「それ以前にナコルルさんはここでKOFのヒロインにこだわっていて良いのですか?
 本業のサムライスピリッツでは新キャラクターのいろはさんが
 大人気だそうじゃないですか」




サムライスピリッツ 天下一剣客伝


「サムライスピリッツ 天下一剣客伝の広告イラストですけど、
 いろはさんの方が扱いが大きいですよね」




「これだと明らかにいろはって子がヒロインポジションよね。
 私なんか一瞬アンタがどこに居るのか判らなかったわよ」




「ゲームセンターへ行くと「かざきり!」「かざきり!」ってよく聞こえて来ますよね。
 プレイヤーさんの人気も高いのではないでしょうか?」




「…………」








「いえいえ、塗り潰しても駄目ですからね」




「塗り潰しても塗り潰せないものってあるわよね」




「……ちくしょう」




「!?」





ばるぱんさーフィギュア収集家


「今や“サムスピ”でイメージ検索しても出て来るのは
 ミナミナミナミナいろはいろはいろはいろは稀にチャムチャム……
 ふざけんじゃねぇって話ですよ。マジ許せねぇ。
 次で私だけ絶命奥義復活させる。保護者団体? ハッ、クソ喰らえ」


「ちょ、ちょっと、これ止めた方が良いんじゃないの?」




「そ、そうですね! あの、ナコルルさん、あ、えーっと……
 そうだ! いろはさんの扱いが大きいのは単純に新キャラ枠ですよ! きっと……」




「そ、それにこのいろはって子、私とキャラ被ってるのに挨拶にも来ないのよね!
 最近のSNKって新キャラの教育がなってないんじゃないの?
 ね、ねぇ、アンタもそう思わない?」



「……はぁ、サムライの話はもう良いでしょう。
 KOFのヒロインについて話し合いましょう」




「そ、そうよね!」




「そ、それじゃ、あの、話題沸騰のケータイアプリ、
 Days of Memories〜僕と彼女の熱い夏〜ですけど、これなんかどうですか?
 KOF常連のみなさんは参加されましたよね?」



「ああ、これね。アンディには悪いんだけど、
 どうしても出てくれってSNKの人に頼まれたのよね。
 人気者の辛いところだわ」



「私は空手家のお姉さんなんだよね」




「ええ、そうです」




「携帯電話ですか。便利な世の中になりましたよね。
 瞳を閉じて少し祈れば聖霊さん達が色々なことを話してくださるのですから」




「それは携帯電波ですね。
 それより注目は出演女優の項目ですよ。
 見てくださいよ。私が一番上。学園のマドンナでしかも幼馴染みですよ!
 容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能のスーパーアイドル!
まさにヒロインの王道だとは思いませんか!?」


「な、何それ!? 何かの間違いじゃないの!?」




「でもさぁ、こういうのって意外とメインヒロインに人気が出ないんだよね。
 人気投票なんかやったらステレオタイプで個性の薄いメインヒロインより、
 メインからは少し外れたインパクトの強いキャラが優勝しちゃったりするの」



「そ、それは……」




「それよ、ユリ! アンタたまには良いこと言うわね!
 メインの扱いでヒロインが決まるんじゃない!
 人気の有無で本当のヒロインは選ばれるべきなのよ!」



「その通りですね。
 例えゲームに出演していなくとも全ては人気次第で決まるというわけです」




「そ、そんな…… 自分で言うのも気が引けますが、
 私はメインヒロインとしても人気があると思いますよ」




「うーん…… それが結構、駄目な例が多いんだよね。
 ユーザーって賢いからさ。
 良くある幼馴染みキャラは回避してメイドロボに熱を上げたりだとかあるのよ」



「何でそんなに詳しいんですか!?」




「そもそもDOMはDOMであってKOFとは別問題でしょ。
 こんなのでKOFのヒロインは決められないわね」




「それは言えますね」




「じゃ、じゃあ、KOFギャルズ麻雀はどうですか?
 これは“KOF”と銘打たれてますよね!?」




「携帯で麻雀ゲームですか。文明の発達とは素晴らしいですね。
 私も昔は森の聖霊さん達とよく伝言ゲームをして遊んだものですが」




「それは携帯電波ですね。
 今度も私の紹介が一番最初の上に、
 しかもタイトルロゴにまで私の写真が使われているんですよ!?
 これはもう私がKOFのヒロインとして扱われていると見て良いのではないでしょうか!?」


「アンタそんな汚れ仕事のヒロインやって嬉しいわけ?」




「ねー?」




「やれやれですね」




「な、何で明らかに私が優位な位置にあるのに
 そんな“論破された”みたいな雰囲気になってるんですか!?」




「あ、でもさ。これ一番メインのご褒美画像のサンプルで使われてるの私だよね。
 これって私の水着写真が一番お客さんを呼べるって
 SNKの人は思ってくれたのかな!? もしかしてユリっチが実質ヒロイン!?」



「それはまぁただ一番どうでもいい画像をサンプルに使ってるだけでしょうけど、
 こんなゲームでヒロインを気取るだなんて、それこそヒロイン失格じゃなくて?
 少女歌劇は清純たれ! 最近ちょっと仕事が減ってるから引き受けたけど、
 そもそも脱衣麻雀もどきなんてクソ喰らえだわ!」


「清純な少女はクソ喰らえ! なんて言わないと思いますが……」




「全く同感ですね。人は言葉の乱れから汚れてゆくのです」




「ねぇ、何かさっき舞ちゃん酷いこと言ってなかった? ねぇねぇ?」




「えーい、もうラチがあきません!
 そんなに人気勝負に持ち込みたいのならやってやろうじゃないですか!
 ええ、正々堂々、人気投票をやりましょう!」



「ほほぅ、アテナ、アンタにしてはいい度胸ね。
 良いわよ。どこで投票を受け付けるのかしら?」




「私が作りますよ! プロフィールの趣味の欄に星占いなんていう古臭い記入を消して
 ホームページ作りに差し替えた私の実力を見せてあげましょう!
 CGIくらいちょちょいのちょいですよ!」



「人気投票をホームページでですか。
 ハガキを利用して資源を無駄にすることのない、素晴らしい提案です」




「それは携帯電波ですね。ちょっと待っててくださいよ。
 えーっと、スクリプトがパーミッションで……っと。ほら出来た!」





(※受け付け終了しました)


「ふむふむ、ここでKOFのヒロインが私に決まるのね。
 なかなか良い出来なんじゃない?」




「あ、これ私達以外にも投票者の人が追加出来るんだ。
 KOFにはまだまだキングさんとかキレイな人たくさんいるものね」




「万が一の番狂わせがあるかも知れないのでそういう仕様にしておきました」




「なるほど、ネタで登録だけされて一票も入らない方を指差して笑うためですね」




「いえ、それはかなり違うのですが……」




「じゃあ早速、私に一票っと……」




「待ってください。自作自演は正当性を欠くのではありませんか?
 舞さんのような恥知らずな方は一日中粘着して一人で何票でも入れてしまうでしょう」




「だ、駄目なの!?」




「ご安心ください。二重投票は制限出来るようになっていますので、
 一応、同一ホストからは数分〜数時間に一票しか入れられないはずです。
 制限の中でなら一人何票入れられても問題ないですが、
 一日中張り付いていても能率は悪いと思います。
また、明らかに不正がある場合も私の権限で削除させて頂きます」


「待ってください。貴女の権限という部分に正当性を感じません」




「しかし、私以外にホームページ作りに詳しい方がいらっしゃるのでしょうか……?」




「うーん、私が他人より詳しいのは空手くらいかな……」




「私は忍術と…… あとおせち料理?」




「馬乗りになった際に正確に相手の心臓の位置を探るのは得意ですが……」




「決まりですね。それでは皆様、よろしければ投票の方、お願いします!
 麻宮アテナ、麻宮アテナでしたー!」




「あ、そういうすり込みは地味に汚い」