1995 266M 
最強は、一人でいい。
餓狼、ひいてはNEOGEO格闘の栄華が過去の物となった作品。
龍虎の拳2で「あれあれ? 人を選ぶゲームかな?」
真サムスピで「思ったほどじゃなかったな」との印象を与え、
そしてついに餓狼3で餓狼幻想までも打ち砕くハズレを放ってしまったのです。

さらにはここから風雲黙示録、斬サムと歴史に残る期待ハズレをぶっ放し、
カプコンがスト2X、ヴァンパイアハンター、X-MENvs〜、ストZERO2等、
一気に快作を飛ばしたためNEOGEOはすっかり日陰者になったのでした。
しゅーりょー

とはいえ個人的にはそれほど嫌いなゲームではありません。
考えに考え抜かれたシステムに感心させられることのほうが多いくらいです。

肝となる新システム “オーバースウェー
これは今までの2ラインシステムをさらに発展させた発明で、
両者は常に中央のラインで闘う、しかし手前、奥のラインに緊急避難も出来る、
といったものでした。
相手の攻撃を奥ラインに避け、中央へ殴りながら突撃。
すると殴られた相手は手前ラインに吹っ飛んでしまう。
そんな2ラインを超える立体的なバトルは斬新で、そして革新的でした。
ちょっと中々思いつくシステムではないと思います。

スウェーラインに移動された側は対スウェーライン攻撃が可能で、
相手が手前なら手前、奥なら奥と対応したボタンを押せば
中央へ引き戻す打撃が可能。
さらにそれにキャンセルをかけて必殺技を出せば
ゴッソリ体力を奪える仕様になっています。

これがまた新しく、ライン飛ばしで別ラインに飛ばした相手を
対スウェーで追撃して連続技を作るといった荒業はまさに痛快無比。
スウェーライン上ではガードが出来ないのできちんと繋がるのです。
緊急回避にも使え、連続技の中継にも使える。
攻撃にも防御にも影響してくるスウェーラインは発明と呼ぶに相応しいと思います。

が、これが4ボタンハード、NEOGEOの限界か、
手前移動がA+B 奥移動がB+Cといった感覚的に解り辛いボタン設定だったため、
移動する側が適当に手前と奥を使い分けると対応は難しく、
さらに喰らうと 反対ラインに飛ばされる⇒対スウェーキャンセル必殺技
大きなダメージを受けるという理不尽なバランスになってしまっていました。

また対スウェー攻撃自体が弱く、反応しても潰されることしばしばで、
結局せっかくの新システムが意味を成さないまま終わってしまったのが残念です。
新しさを求めた結果、複雑化の一途を辿る格ゲー界に
疑問の声が強くなった作品でもありました。

ヘルムスリー画伯

さらに新キャラクターの不人気もあって見事に滑った餓狼3ですが、
演出関係は気合が漲っており、ライン飛ばしKOで奥の障害物にぶつける演出は
何種類あるのか見当もつきません。
ストーリー展開も作り込まれていて、セリフ関係を見ているだけでも楽しめます。
格ゲーとは思えない壮大な音楽も盛り上がる要因でしょう。
小ジャンプの登場で、空中ガード可能なノーマルジャンプとの使い分けも
新しい戦略を生みました。

またSNKお得意の役立たずシステムも多数搭載されており、
に一瞬だけ入れることで一瞬、上半身無敵になるクイックスウェー。
さらにそこからボタンで出るクイックスウェー攻撃。
一定の順番でボタンを押すことで発動するコンビネーションアーツ。
後のコンビネーションアタックですが、
3ではほとんどがガードされると止まるので役立たずでした。
そこがまた無理矢理使いたい心をくすぐるのです。
伝統の避け攻撃も弱体化で使えなくなり、これがまた無理矢理使いたい心を(以下略)
真サムの「旋風……ってね」に端を発し、技を出す振りをするフェイント技もありました。

超必殺技を超える潜在能力もこの作品が初登場で、
試合前に全ボタンを押したままスタートボタンを連打しておくことでリミッター解除。
体力が少なくなったときに1ラウンドに一度だけ使用可能という
わけのわからんシステムでした。
(※本来は超必殺技を出した際に1024分の1の確率で潜在になるというシステムらしい)
肝心の技もほとんどのキャラが実戦では決まりっこない性能で
そこがまた無理矢理使いた(以下略)

要約すれば、

徹底した作りこみのわりに肝心なところが抜けている

この餓狼伝説3。

キャラ絵の質と技の重さが落ちたのは残念ですが、
コンビネーションゲー嫌いの自分としては無意味システムを無理に使った
この餓狼3の流れるような自作ラッシュはとても快感で、
技が出難いのを除けばCPU戦ゲーとして微妙に大好きです。
ク、クイックスウェー攻撃がたまらん……!

ちなみに舞のコスが変わり露出度が減ったことで非難轟々。
よく見ると充分露出しているのですが、
当時の漢たちはそれでも許せなかったらしい。

koya画伯

JOE伝説3

「次回で消えるよ」「パンツ東スタメン落ちか!?」
といった噂が誠しやかに流れる中、ギース討伐デモの存在から見るに
まだ主人公的存在の位置付けはキープ。

れっせー画伯 しかしCPU戦では一面の敵だった

餓狼のみならずNEOGEO界のキャラクターは
スタイリッシュなファッションがスタンダードとなり、
未だ往年の濃いSNKの味を残しパンツ一丁を貫くジョーの浮きっぷりは非常に激しく、
その立場は冗談抜きで
「いやマジで…… も、すっごい危ない……」という段階まで来ていた。

そこでジョーが苦し紛れに編み出した奥義がコレである。

なーんちゃって挑発

技のネーミングも黄金のカカト、疾風ローリングサンダー等、
逸脱したセンスを発揮し出し、イロモノとしてその存在をアピールにかかった。
対マリー戦で言われる「あなたねっ! ハダカでうろつくヘンタイ男って」というセリフが
現在の彼の立場を如実に物語っていると言えるだろう。

また、エンディングでビリーの妹リリィに手を出し、
概ね歓迎されるNEOGEOカップル業界の中で
異例の非難を浴びる事件も起こった。
しかし問題はそのカップリングではなく、
デート中でもパンツルックというところに
あると思うのだがどうか。
お前が目を覚ませと言葉を贈りたい。

PICKUP狼
テリー・ボガード
 
決め台詞 OK!

微妙に擁護した餓狼伝説3だが、実はどうしようもない男が紛れ込んでいる。
ワイルド狼主人公、テリー・ボガードその人である。

初代餓狼〜餓狼2では弟アンディの強さもありいまいちパッとしなかったが、
餓狼SPにおける連続技の爽快さはテリー使いを一気に増やし、
陽気な兄ちゃんにキャラ人気もグングン上がって来る。
トレードマークの帽子など関連グッズも人気を博し、
これが現在のゲームキャラコスプレの走りとなったと言っても良いだろう。

そう、まさに彼がゲーマントを退け、NEOGEOCDの猿を退け、
名実共にNEOGEOの看板キャラへと成長したその時だった!!

しゃがみ強P≫強クラック>しゃがみ強P≫強クラック〜

古の斬影ハメを思わせるあまりに幼稚な永久コンボが発覚。
餓狼3にトドメを刺したのがこの主人公さんだったと言って良い。
なんと皮肉なことか。

つーか、ちゃんとテストプレイしてください!
それくらい発売前に気づけ!そして直せ!


餓狼3を壊しちゃったテリーのプログラマーは
社内で3年くらい白い目で見られたに違いない……

七瀬 あんこ画伯 最強は、一人でいい

かくして間違った強さを手に入れたテリーだったが、
人徳なのか、さほど嫌われることはなかった。
というか、それ以上に餓狼3自体が嫌われていた

以前の“弱くてメイン主人公が目立たない”という状況が嫌だったのか、
この3以降のテリーは基本的に、かなり意図的に強キャラとして安定している。
おかげで風格も出て来た感じで、結果としては良かったのではないだろうか。
キャライメージとキャラ性能の直結もSNKキャラの魅力だった。

と言っても巨漢なのに しゃがみ小P連打≫ダブルコング主戦武器
妙にせこいフランコ等、全く直結しないキャラも多々いるのだが、
そこもまたたまに何を考えているのかよく解らないSNKさんらしいということで、
良いジャン、もう。そこまでは責任持てんよ!!

空耳伝説SPECIAL

▼ヘル!ワン!トゥー!キャッツアーイ!

ボブのボイス。どうやら彼は熱烈なキャッツアイファン、
もしくはアンチキャッツアイらしい。

▼ボンバヘ!

ボンバヘー♪ ボンバヘー♪

▼春巻買って来ますたー!

ジュニアを山崎に監禁され、言われるがままに傀儡にされるフランコは
勢い良く春巻をパシらされるのだった。ハルマゲドンバスター。

名無し画伯