1995 346M 
さらば、ギース。
スウェーラインがあるだけでやる気がしねぇ
というところまでプレイヤーを萎えさせた餓狼3の続編は
なんとその年のうちに発売されました。
SNKも「こりゃヤバイっすよ、マジで」と思ったに違いない。

それでも意地でオーバースウェーは健在で、
しかし今回は餓狼3の失敗を教訓にシステムの簡略化を成功させていました。
スウェーは1ボタン。Dボタンだけで奥へ移動でき、
手前に移動するには↓+Dだけで可能となったのです。

そして追撃する対スウェー攻撃は相手の位置に関わらずDボタンのみ。
奥に居ようが手前に居ようがDボタンのみで追撃可能となりました。
よって移動方向はほぼ演出的な意味合いしかなく、簡単に潰すことが出来ます。
これにより適当にスウェーを繰り返すスウェー猿は滅び、純粋に緊急回避、
あるいは奇襲、連続技へと使える優れたシステムになったのです。

しかし、Dボタンを独立させてしまったため、
今までのパンチ、キック強弱二つずつというボタン使用は不可能になり、
通常技はパンチ、キック、強攻撃の3ボタン性になってしまいました。

それでは通常技があまりにも少ない。
そこで登場したのがコンビネーションアタックです。
前作の〜アーツとは違って今度はガードされていてもコンビネーションが続き、
相手を固めることが出来るようになりました。
当然ヒットすればお手軽に連続技となり、餓狼3にはなかった間口の広さ、
初心者への対応としても威力を発揮していました。
攻撃ボタン3つというのも単純で幸いしたのかもしれません。

お手軽なコンビネーションの他にマニア向けなコンビネーションも存在し、
当時ブームだった空中コンボが可能になる流れや、
コマンドが長い超必殺技に繋げる流れなど、やりこみ甲斐も充分でした。
また例によって役立たずなルートも存在し無理矢理使(以下略)

カプコンが編み出したチェーンコンボ(ある程度目押しがいる)が
難しかったプレイヤーに受けたという一面もあったでしょう。
システム的にはバーチャファイターのコンボの2D版と言った感じですが。
バーチャと言えばこのREALBOUTではリングアウト制が導入されていて、
画面端の障害物が崩れた後に画面端で打撃を喰らうとリングアウトとなり、
即死してしまうという賛否両論もシステムがありました。即死です。

以上、このようにかなりバーチャブームの影響を感じ、
後に致命的なファン離れを起こすポリゴン化への序曲を感じる作品でもあります。
むしろさらば、SNK。といった感じです。

さて、手軽に繋がる派手な連続技で押せ押せとなった今作。
防御面は一瞬で屠り去られるのを防ぐために体力ゲージが二本に増量され、
また固められて何も出来ないといった状況を打破するために
これまたカプコン流れでガードキャンセルが導入されました。

しかし、それを行うには攻めると溜まるパワーゲージを消費するため、
ひたすら待ってガーキャン頼みといった戦法をするにしてもある程度攻めねばならず、
パワーゲージの真の使い道である超必殺技、
潜在能力の妨げにもなるというマイナス要素を持っていました。
しかも対応技が決まっているのでキャラによっては役立たずだったりもします。

さらに空中振り向きという空中で振り向いてガード方向を惑わし、
相手を後ろから蹴るという面白い動きも追加され、
対戦格闘の永遠の問題、“待ち”を封じ、
結局、徹底して攻めるゲームへと完成されたのです。
キャラの魅力の薄さも人気の高かった旧キャラを復活させることで回復。
かくして餓狼は蘇ったのでした。これが最高傑作と言う人も。

テリー、アンディでクリアした際に見られるギース死亡のデモは
本気で泣いてしまうくらい感動的で、これだけでもお気に入り度はMAX確定です。

事実マジ泣きしたし…… ギィィスゥゥ――――ッッ!!



これは絶対、歌入りのCD媒体移植作品で見るべし!
帰依 〜The Sunset Sky Final〜
ゲーム使用版とライヴ版が存在するけど、ライヴ版は妙に明るくてイマイチ。
ゲーム使用版はRB餓狼アレンジNEOGEO GUYS SONG COLLECTION
新世界ファイナルに収録されてます。そしてRB餓狼アレンジがレアだから困る。

れっせー画伯

PICKUP狼
山崎竜二
 
決め台詞 百年早ぇんだよ……

餓狼3の新キャラの中で唯一評判が良かったのがこの山崎だ。
とは言ってもボスキャラで基本的に使用不可だったため
知名度は低かったわけだが、
それが今回使用可能とあって兄貴と慕う多くのファンを生むことになった。

3〜RB間は冷酷さ、危なさ、狂気が混在した、
静かな瞬間が一番恐ろしい雰囲気を持っていたのだが、
だんだんキレた面だけが特徴となり、薄ら寒さが消えてしまったのが残念。
今やまともな会話も出来そうにない。

技はどれも皆個性的であり暴力的である。
相手に殴らせて殴り返す新種の当て身投げ“サドマゾ”は
山崎の危なさを上手く表現していた。
他にもブッ刺しやドリル、ギロチンなど痛そうな技のネーミングがケンカ師っぽくて良い。

蛇拳

常にポケットに手を突っ込んでいるのは、何でも彼は兄貴と慕った
反町という男が誉めてくれた左の拳に特別な感情を持っており、
反町が殺され、心のバランスが崩れた後は、
その左手を見るだけで完全に理性の糸が切れてしまうかららしい。

左右反転の2Dなので見た目に右手左手という概念はないのだが、
超必殺のギロチンなどのイカレ技を見ると、いつもポケットに入れていた手を出し、
設定上の左手で相手を引き摺っていることが解る。
なんと芸が細かく、そしてこだわりを感じる設定だろうか。
これを知っていると山崎を使うのがさらに楽しくなること請け合いだ。

実際にこんな奴に出会ったらどんな命乞いをすれば良いのか。
ふとそんなことを考えさせる怖さが山崎の魅力だ。

元ヤクザという設定のため匕首、まぁドスを使ったりするのだが、
次あたりハジキなんかも使いそうだな。
そしてジョーあたりが撃たれて死にそうだなと期待が高まった。
だが結局ハジキは使わなかった。

D画伯

リアルバウトJOE伝説

れっせー画伯
ついに主人公枠から外れ、
その他キャラになる