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伝説の拳……
そう呼ばれる(こぶし)は各界に幾つかあれど、
この(こぶし)ほど我らを魅了してやまない(こぶし)は存在しない……

その(こぶし)は常にある漢の身を守り、心を荒ぶらせ、
時にホア・ジャイの使うドラゴンテイルまでも迎撃する闘志を見せる。

だが、我々がその(こぶし)に魅力を感じてやまないのはその類稀な威力ではなく、
存在さえも不確かな、ミステリアス性にあると言えるだろう。

その(こぶし)は本当に存在するのか?
だとしたら、ゲーム中のどの技がその(こぶし)に該当するのか?

ある者はチベットの山中に篭り、
またある者は滝に打たれることで悟りの果てに真実を見い出そうとした。
例外としてモロッコへ旅立った者もいた。

ネッシー…… 雪男…… 頭脚人間……
彼らUMAが如き不透明さでしかし、確実に目撃証言のあるその(こぶし)……

その(こぶし)の名は……





伝説の(こぶし)の、気高き真名である。

されど、その(こぶし)が存在したとされる時代は実に前世紀である。
現代に残る資料は極僅かしかないと言って良い。
いや、初代餓狼伝説の、
しかも通常技の資料など初めから現代には現存していないのかも知れない。
(こぶし)の真実は永遠に闇の中でもやもやとした気持ちを我々の心に刻み、
ホア・ジャイにも刻み続けるのだろう。

それはもう抗えぬ運命としての決定事項であり、永遠の苦悩。
その(こぶし)に魅入られてしまったが故の後遺症と言える、罪な痛み。

21世紀を生きる我々はもはやその痛みを刻んだまま
傷を隠しながら微笑みを忘れて生きるしかない。

そう、思われていた。

しかしそこで、当サイトにその(こぶし)に突き当たる、
重大な資料の情報が寄せられたのである。

その資料の名は、後に名を馳せるかのALL ABOUTシリーズの実にVol.1、
ALL ABOUT対戦格闘ゲーム(1993 スタジオベントスタッフ)であった。

私は走った。伝説の(こぶし)を求め、しゃにむに走った。
そしてついに餓狼伝説 宿命の闘い、テリー・ボガードの通常技の全てが記載されているという、
ALL ABOUTという名の聖書の、148ページへと到達したのである……!!

そこで私は見た!
ついに、長き苦悶の時を経てついに、真実へと辿り着いてしまった!!

今、禁断の扉が開く……!!







……!?







……!!?



ないね。うん。


結論 サニーパンチなどはない