考察 K'のグローブはなぜ壊れてもあっさりと復活するのか?



'99のEDで壊れてしまうK'のグローブ。
これにより暴走した炎が止むことなくK'を焼き続けたわけだが、
2000になると何事もなかったかのように直っている。

それをまぁ大人の事情ということで良しとしても、彼は2000のEDでも問題を提議している。
ここでウィップの言葉を聞き、たったの三人でネスツを潰す決意を固めたK'だが、
その際にその無謀な戦いに心配の声を漏らすマキシマに対し彼は、
「身軽になりゃワケねえよ」と自らグローブを壊し、
投げ捨てるという実に破壊的な行動をやってのけているのだ。

そして2001ではグローブの封印を解放したK'が見られるのかと思いきや……
また何事もなかったかのように新品のグローブで彼は登場する。

これは一体どういうことだろうか?
その場のノリでグローブを壊したことで炎が暴走し、
ネスツに新しいグローブ作ってください。すんません。助けて下さい。
調子乗りすぎました。また作ってください。お願いしますと頭を下げたのだろうか?

だがこれは小説版によると、
マキシマがネスツにハッキングをかけて設計データを盗み、修理を行ったかららしい。
そんな簡単にネスツにハッキングなんて、と思われるかも知れないが、
ネスツとて地上最強の人間候補であるK'にその場のノリで潰れて貰うわけにはいかない。
これは盗まれたというより、敢えてデータを与えた、と見る方が妥当だろう。

またKOF2000ドラマCDでは、ウィップの提案でネスツの研究所へ乗り込み、
制御チップを手に入れたうえでエンジニアを捕らえて修理させたらしい。
いずれにせよこれもネスツが修理の機会を自ら与えた、と考察出来る。

これにより'99⇒2000のグローブ模様は解明と相成ったのだが、
2000⇒2001はまた少し事情が違うだろう。
2000のラスト、K'は自らグローブを引き千切り、
荒れ狂う炎のままネスツとの決戦の意思を新たにしているのだ。



暴走した炎を使いこなし、パワーアップすることで
ネスツという強大な敵に挑もうという決意と解釈するのが当然だろう。

にも関わらずKOF2001にまた主人公として登場する彼の右手には
新調されたのであろうピカピカのグローブが光り輝いていた。これは妙だ。
その場のノリでグローブを壊したことで炎が暴走し、
マキシマに新しいグローブ作ってください。すんません。助けて下さい。
調子乗りすぎました。また作ってください。お願いしますと頭を下げたのだろうか?

いや、本当に暴走を抑え切れなかったにしても、
K'の性格からして意地を張り通し、決してグローブを再びハメようなどとは考えないはずである。

ならば、見かねたマキシマが一方的に与えたのではないだろうか?
だがそれにしてもK'は受け入れないだろう。
男が一度決めたことだ。
いくらマキシマがわざわざ新調してくれたとてオメオメとまたグローブ生活に逆戻りなど
天地が逆になっても了承すまい。
論点は、どうやってマキシマはK'にグローブ着用を認めさせたのか? ということになるだろう。

ここで再び最初の、KOF'99のED写真を見て欲しい。



グローブが壊れ、炎が暴走して弱っているK'の腕を抱え、悠然と歩むマキシマ。
「オレはいいがおまえ腕が焼けるぞ」というK'の忠告に対し彼の返答は、
「火遊びが好きなんだよ。俺はな」
実に男臭い答えだった。
ネスツ編の演出、セリフ回しの上手さが集約されたワンシーンと言えるだろう。

だが、ここで騙されないで欲しい。マキシマが好きなのは火遊びではない。
そう、普通に考えれば極々当たり前のことなのだが、右腕を持つのが間違いなのである。
マキシマはK'の左腕を抱えて歩けば何の問題もないのである。
つまり彼は火遊びが好きなのではなく、グローブが好きなのである。

どれくらい好きかと考察するに、炎に身を焼かれても厭わない覚悟だ、
ファンやマニアの領域は裕に超えるだろう。
フェチやコンプレックス、信仰の域に達していると言える。
恐らく性的興奮を覚えるほどに好きなのである。
なのでK'はマキシマのキモイくらいの要望に気味の悪さを感じ、
折れると共に保身のためにやっぱり炎を扱えた方が良いと考え直した。
そう考察するのが妥当である。

結論 マキシマの功績

キデ画伯