考察 るろうに剣心とは関係があるのか?

キデ画伯 非常に似ているこの両作品。
隠しキャラで剣心が出るなどという噂も飛び交ったが、
果たして何か関連性はあるのだろうか?
月華登場時の漫画と言えば真っ先に『るろうに剣心』が挙がるほどそれの絶頂期であり、
同じ時代背景(月華のが少し前だが)を持った月華の剣士が比べられないはずはない。
技名等にも九頭龍(九頭龍閃)に龍槌旋(龍槌閃)、
さらに龍翔旋(龍翔閃)やら色々色濃く影響の跡を見ることが出来るだろう。
もはや世界の繋がりさえ信憑性を感じてしまうほどに共通点……
というかもうSNKお得意のパクリ魂を感じる。

しかしるろ剣の作者和月伸宏氏が熱狂的なサムスピファンであり、
自身の作品の中にも大きな影響を与えているのは本人が語る事実。
るろ剣のコミックスを見れば判るのだが、
何を考えてか和月氏は空きページが出来る度にファンサービスと称し、
“モチーフ”という言葉を使ってそれを公言しているのだ。
潔いと言えば潔いのか…… 作者に底知れぬ剣気を感じるエピソードである。

しかも空きスペースにはもの凄い勢いで「忙しい」等の愚痴がしたためられている
なぜか盛り上がるシーンでも愚痴を読まされるのである。

さらに読者や他の漫画家、アニメ版スタッフに対する嫌味としか取れない発言も度々飛び出し、
悪気を感じさせずに、「え? 何様……?」と思わせる高等テクニックを随所に散りばめている。
如何せん本編よりも空きスペースのvs読者等が気になってしまうのも仕方ないだろう。
一振りで三人の敵を斬る飛天御剣流よろしく、
一振りで三人敵を作る和月氏の、修羅さながらの天然ぶりは必見と言えよう。

辛辣な物言いになったが、パクリ問題は別として、
個人的にるろ剣は好きな作品であることを意思表示しておこう。
とにかくそれを凌駕するほどにSNKファンとしては
コミックスの欄外バトルに興味をひかれてしまうのである。

で、つまり何がどういうことなのかと言うと、
SNKと和月先生は月華以前からパクりパクられの仲
そして和月先生はちょっと変わり者、ということなのだ。


〜技の歴史〜


全ての始まりは琴月

天サムで大爆殺登場


その技もらった! 紅蓮腕!

甘いわ! スト2をパクッて今日まで生きてきた
オレの拳を受けるが良い!
おきて破りのパクリ返しじゃい!

だがこの辺はまだパロディの域だろう。



どっちが先か、と考察すると……
和月先生がハマり影響を受けたと語るのが真サムスピ。
この頃のるろ剣は連載当初でまだ国民的漫画ではなかったため、
先に人気のNEOGEOゲーを模して出世したのが和月先生であろう。
ある意味、“サムスピのマンガ版”が、るろうに剣心だったのだ。

そしてそれがヒットしていたため、
SNKはパクリ返してブームに乗ってしまおうと
便乗商売を思い立ったのである!
ヤサカニ画伯



〜若りし志々雄さんの場合〜



わお!


ビックリでござるよ!



hisa画伯 両者は実は持ちつ持たれつだったのだ。
というかもはや、後期は友情関係に近かったのではないだろうか。

実際るろ剣を読んでみると、
「阿呆が」「身の程知らずが」「もう殺す!」
を連呼する牙神幻十郎な斉藤一、
庵ブーム真っ只中に志々雄真実がやらかした
三段笑い(ポーズも一緒)、
ナコルルマントで登場して斬影拳を打つ巻町操など、
NEOGEOネタがそこかしこに散りばめられているのが解るだろう。
元ネタを知りながら読めばまた違った楽しみ方が出来るのがるろ剣の魅力……
なのかどうかは人によりけり。
正直、客観的に見て“ネタ”の域を充分超えていたため、
連載中は抗議が殺到してかなり凄いことになっていたようだ。

そしてSNKもKOFでついに文字りすらせずまんまの九頭龍閃なんて技を付けたりして、
もーええ根性しとるわ、アンタら。


〜SNK逆パクリ乱舞〜


石動雷十太似の斬紅郎さん。
ご存知、斬紅郎無双剣のラストボスだ!
るろ剣では噛ませだったのに大出世。

当然、奴の必殺かまいたちもコピー完了!
連発すれば永久コンボだ! まさに鬼でござるよ。



笑顔しかない感情欠落宗次郎。


笑顔笑顔のクリス君。
縮地だってお手の物さ!


他に緋雨閑丸=緋村剣心説もあるが、
これは個人的にはそう似てるとは思えない上に出所がコミックスの和月氏本人というのが……
そのコメントがちょっと転載するのが憚られるほど凄いので、
この辺は是非、コミックス八巻を手に取って読んでみて貰いたい。


話を月華に戻して、
実は故新声社の月華ムックで大胆な事にこの和月先生にインタビューしてたりする。

オイオイ大丈夫かよ! オイ!
そんな企画通すなよオイ! お互いのためにござるよ!


一部抜粋すると――
サムライスピリッツをはじめとする格闘ゲームをやるようになって、
色々な要素がさまざまな形で組みあわさり、
それが面白さにつながっていくという
娯楽の原点のようなものを再確認させられました。
そのあたりも含めて、これまで自分の漫画にフィードバックさせていただきました。
もちろん取りこんだものをしっかりと自分の中で消化、もしくは昇華させて、
よりオリジナリティの高い漫画を目指そうと思います。
そして、漫画家として、より高みを目指そうと思います。


…………




結論 どっちもどっち

ちなみに和月氏もこのインタビューで2Dでサムスピを作れ! と憤っていた。
そして氏の純なる願いが天に届いたのか、
サムスピはついに、2003年、サムライスピリッツ零として7年ぶりに2Dで復活。
しかもなんと奇縁が重なり主人公含む数キャラのデザインまで任され、
本業のマンガでもまた新たに新連載を持つに至ったのだった。

由画伯 バルキリースカート!!

Happy End♪

(C)和月伸宏/集英社