壮大なストーリーを持つ月華の剣士が、意味深なサブタイトルと共に帰って来ました。
SNKのサブタイと言えばあの“覇王丸地獄変”で無意味さをアピールしましたが、
今作の〜月に咲く華、散りゆく花〜はストーリーの重要なキーになって来ます。
衝撃のエンディングを暗に示していると言ったところでしょうか。


月華の剣士STORY

悪い子が地獄門を開こうとしたけど倒した(1)
でも門が開いたままだったから封印の巫女の命で閉じなければならない。
そんでそれが主人公格の雪だった。そして死んだ。

――終わり。


カニ缶画伯


で、肝心のゲームシステムはほぼ前作と同じ。
細かく洗練されてはいますが、基本的にはキャラクターが増えただけの
ヴァージョンアップ版と思って良いでしょう。
よって前作の不満もそのまま継承されています。
そこでもうあまりやり込む気にはなれませんでした。

読み重視かつ、連続技のミスが許されないという点では
対戦ツールとして完成度が高いのでしょうが、
やっぱりどうも共通システムだけで闘えてしまうのは作業チックです。
演出を見飽きたらゲームにも飽きるという……

そしてキャラクターは前作からそうなのですが、SNK末期を象徴するような美形揃い。
新キャラクターも美形、美形、美形乱舞です。
確かにイロモノも居るのですが、イロモノ、巨漢、各担当が完全に型にはまっており、
見た目の美麗さほどの魅力がありません。
同人受けしそうな衣装、ルックス、設定で客に媚びたありきたりなキャラの連発。
“味がない”といった表現がピッタリです。
方向性を間違ったのか単純に行き詰まっていたのか。

しかし例によって演出は超美麗なので
あまり格ゲーが得意でない人相手でも雰囲気に浸りつつ
プチ新撰組ごっこのような楽しみ方も出来ますし、
この世界が好きな人にはたまらない魅力を持っていると言えましょう。

由画伯

家庭用移植が遅かったため、
ゲーム雑誌等で絵が古臭いとレビューされていましたがとんでもない。
今以って業界屈指のレベルにある2D技術と言えましょう。

超奥義、潜在奥義の演出が見たい。
そのために作業連続技を決めるゲーム。

そんな感想の月華シリーズでした。

赤帽画伯

PICKUP
浪漫
高嶺響  
PICKUP台詞 死を見る事……帰するが如し!

新キャラにして一番月華らしいキャラなのがこの響だろう。
他の狙いまくったキャラとは一味違う魅力に満ち溢れている。

萌え! 萌え! 萌え! 萌えこそ真理! 萌えこそ全て! 萌えは我らの母!

といった世俗に影響されない高純度の良キャラだがその分、地味だった。
しかしカプエス2には月華代表としてただ一人選ばれており、
CAPCOMも月華を象徴するキャラとしてこの響を見てくれたということなのだろう。
もちろんキャラ性能が個性的で
使って楽しいキャラだってのも選出理由だろうけども。

天川画伯

NEOGEOにはすでにサムスピで右京という居合いキャラが存在し、
同、月華の守矢も居合い技を持っているため流派自体に目新しさは無いのだが、
この響の居合いは本物志向でそれらとはまるで違う。
出が速く、必殺の威力を秘めている代わりに外せばそれまで。
そんな居合い独特の緊張感を忠実に表現しているのだ。

スピード、リーチには長けるが一撃に重きを置いているために空振りが許されず、
再び鞘に納めている間にバッサリと殺られてしまう。
しかしその剣の威は女性キャラとは思えぬ破壊力を秘め、
すり足から一転、高速で踏み込んですれ違い様に斬る……!
そんな、漫画のような技、動きも月華ならではの美麗演出で再現されている。
さらに響が併せ持つ合気道的要素もキャラクターと完全に調和し、極自然だ。

使っていて非常に面白く、技演出で爽快に酔える。素晴らしい。
見た目と中身が合わさって生み出されるキャラクターの真の魅力。
見事、あまりにも見事。
こういうキャラが作れる内はまだ捨てたもんじゃないと思う反面、
こういうキャラが埋もれてしまう現実にはもはや逃げ場が無かったのか。
などと遠い目で感傷に浸ってしまったりする。

現在は前述のカプエス出場もあって、じわじわと人気を獲得。
今ではかなりの人気を誇るようだ。

キデ画伯


空耳浪漫第二幕

▼先逝っとけ!

式神を捨て石に先に逝かせるあかりの非情の技。
と思いきや「かじっとけ!」と言っているらしい。

ばるぱんさーピンキー改造師