第十五話
お前のためなら喜んで拳を捨てることが出来る!!

魔天王を追って辿り着いたのは、てんていけんのまちマテンランド
何気に楽しそうな響きだ。

折角なので魔天王の情報を集めてみる。

*「まてんおうは あらゆる りゅうはの
  にんげんと たたかいそのけんを
  ふうじこめるのが たのしみらしい

*「まてんおうは このしろにいるけど
  けんぽうかがくると おおよろこびなんだ
  よほど じしんが あるんだね

*「まてんおうは カイオウいちぞくよ!

な、なんだか無邪気でカワイイぞ、魔天王! いや、むしろ、萌ゑー!!
しかしカイオウ一族とはなんぞや?
カイオウの子なのだろうか。となると魔天王も北斗宗家の血筋に……

散々たらい回しにされて最初の目的を忘れかけて来たが、
ケンシロウに会って北斗神拳伝承者になるのが一番の目的。
だがケンシロウは水晶殿で眠りについていて、
リンの持つ北斗の秘宝がなければその扉を開くことは出来ない。
しかしそのリンは魔天王に捕えられているので、
まずは魔天王を倒してリンを奪い返さなくてはならない。

ならば行こう! 魔天王の城へ!

場内を進むと前座のモヒカンが登場。

 話し掛けると……

   ↓バトルに

*「おれは まてんおう しんこうたいちょうの
  ロドス!
*「すでに このよの あらゆる りゅうはから
  けんをすてる せいやくぶんが
  まてんおうさまのもとに あつまっている!

さすがにこの顔の変化は無理があるだろ

しかし世界中から制約文を集めるとはなんて細かい魔王だ。
こんな細かい魔王見たことない。

*「さあ かけい! とうえい!
  ふははははっ! せいやくぶんをかくのだ!
  いちごいっく もらさずにな! ふははははっ!

負けたらこんな感じになるのだろうか。
嫌すぎる……

もはや絶対に敗北は許されぬとうえい!
侵攻隊長ロドスを倒し、一気に魔天王の城を駆け上がる!


*「まっていたぞ とうえい!
  おれは てんていけんそうししゃ
  でんしょうしゃではない!
*「わかるか そのちがいが
  しんに ちからのあるものは りゅうはを
  うけつがず みずから そうぞうする!
*「すでに あらゆる りゅうはは
  わが しゅちゅうに おさめた。
  のこすは ほくとしんけんのみ!
*「ひとりづつ じっくり たのしませて
  もらおう。 さあこい!


魔天王降臨!


ならばこちらも……




ハァ〜〜……










でやぁぁ―――ッ!!









  

凛顔モード!発動!


そして必殺!

闘守孔連続突き!


もはや超人硬度10をも超える究極の硬さとなったとうえいの肉体は無欠無敵!
しかし突如、笑い出す魔天王! 何がおかしい!?

*「ふふっ! ひさびさに おれを
  たのしませてくれそうな やつだ
  とどめは ささずにおこう

なんということだ!!
いかに防御を固めようと、とうえいの剛拳では魔天王に勝てぬと言うのか!?


*「まてんおうの けんは ごうのけん
  やつの ごうけんを つつみこむ
  じゅうのけんは そんざいしない
*「まてんおうの ごうけんは うちくだくのみ
  とうえい!
  おれに かんがえがある。
*「いこう ほくとレンキトウザに


北斗練気闘座――

北斗神拳の歴史上、最も神聖な修行の場。
代々継承者争いの決着はここで着けられたという。
そして、ケンシロウとラオウの死闘の舞台となった因縁の地でもある。



ラオウの とうきが
とうえいたちを よみがえらせた。





*「とうえい! おれと たたかえ!


*「な なぜだ?







るぁぁ――――――っ!!

リュウ凛顔モォ――ドッ!
















ってか、老いてるぅ―――ッ!


いやラオウの血を受け継ぎし者、リュウ!
突然、親父臭くなってもなんら不思議は無い!

しかしなぜだ、リュウ! これが北斗の宿命なのか!?
やるしか…… やるしか…… ないのか!?


  

ゴゴゴゴゴゴゴ……

























永遠とも思える死闘の果てに




















残されたのは

傷ついた二人の拳士




















「我が 父の剛拳
 それを得るには 容易なことではない
 その道は ただひとつ
 オレと闘い
 オレを 倒すことでしか 得られぬ!



「これは 父ラオウの 遺言
 北斗の伝承者を 命をかけて
 守り抜けと……







「オレは 伝承者の 道を
 望んでいなかった。


「オレは おまえのためなら 喜んで
 拳を 捨てることが出来る!














リュウは自ら手首の腱を切った














「リュウ!







「北斗神拳は 一子相伝!
敗れた者は 腱を切る
これが 北斗の掟だ!








ラオウ「とうえい!
  我が 剛拳は 誇り高き 勝者に
  のみ 与えられる拳!
  今こそ 我が 剛拳の
  最終奥義を 伝承しよう!






天将奔烈






リュウ…… オレのためにそこまで……
お前という奴は…… クッ! バカヤロウ! とんだ大バカ野郎だぜ……!


「朋友…… 朋友よ……

「朋友!












「朋友…… 「朋友!


*「ほくとの げきとう みごたえが あったぞ!
*「おれは ルギー
  おれのからだは ひうんのしょうに
  なおしてもらった。
*「ふたたび とうえいのともとなろう!
とうえいは さいこうの ともをえた。


「朋友!






「朋友!



「朋友よ……!


「朋友!

















朋友









魔天王よ!
新たな流派を生み出すお前の才は認めよう!

だが!

二千年の永きに渡り強敵達の魂を刻んで来た、

北斗神拳の威!

その重み! 深さ! 哀しみを!

死を以って見届けるが良い!!




























へばぶ!






*「ぐぐっ! みごとだとうえい!
  さすが ほくとしんけん!
*「おれは おれいちだいの てんていけんとともに
  このちにはてよう。 グボッ!



魔天王……




お前もまさしく強敵だった!!